いつもと違う空気が流れた試合──石山泰稚の復帰登板 | ヤクルトが好き

石山泰稚

2021年5月25日(火)
ヤクルト[2-4]日本ハム(神宮)

セ・パ交流戦──試合前からどこかいつもと違う空気が流れる3週間が始まった。ふだん顔を合わせないチームとの対戦。グラウンド上では選手たちの交流も多く見られる。

長らくパ・リーグでプレーしていた嶋基宏が球場入りしたときには、大田泰示が駆け寄り言葉を交わしていたし青木宣親と西川遥輝は何やら話し込んでいた。昨オフに叶わなかったメジャー移籍の話だろうか。キャッチボール相手の元山飛優が手持ち無沙汰だったのも見逃せない。

どこかいつもと違う空気は試合中にも流れた。0-2と2点ビハインドの5回表、3試合ぶりにベンチ入りした石山泰稚がブルペンで投球練習を開始したとき。鳴り物応援のないスタジアムにブルペン捕手の乾いた捕球音がよく響く。なんとなくの静寂。

マウンド上の金久保優斗は石山の存在に気づいているのかいないのかはわからないが、二者連続三振を含む三者凡退。なにごともなかったかのように石山は引き上げた。

5回裏、6回表、6回裏…淡々と試合は進んでいく。ブルペンに石山の姿はない。再び投球練習をはじめたのは7回表。ここでも出番はない。

そして7回裏。7回表の投球練習を終え、一旦は下がった石山が三度(みたび)ブルペンに入る。1-4と3点ビハインドの8回、か。復帰登板にはちょうどよい場面だな。そんなことを思っていた。

7回裏の攻撃も淡々と──では困るのだが──終わり、「夢色傘」(泉佳伸)のメロディーに乗り石山が走っていく。見慣れた光景だけれども、少し状況が違うだけで、いつもと違う空気が流れている。拍手もいつもより大きく聞こえた。それぞれのファンにそれぞれの色々な思いがあるのだろう。

が、内野陣はとくにふだんと変わらない。オスナが投げるゴロを各内野手がいつもどおり捌き戻している。集まって声をかけたりはしない。マウンドでの投球練習を開始するまでには捕手の古賀優大と言葉を交わすのみ。

必要以上にバタバタしてたのはファンだけだったのかな。

三者連続三振。球数は13球。この結果だけを見れば、翌日の試合から守護神に復帰してもよさそうに思える。でも、プロ野球の世界はそういうものではない。高津臣吾監督も「そんなにすぐには戻れるポジションではない」ときっぱり。心のリハビリには少し時間が必要なようだ。

それならぼくたちは、やっぱりここだよね、と思える場所に帰ってくるまで待とうじゃないか。バタバタしたってしょうがない。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000390
※ヤクルト公式HPより

記事参考:https://www.daily.co.jp/baseball/2021/05/25/0014358151.shtml
※高津監督コメント

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