2021年6月3日(木)
ヤクルト[2-4]楽天(神宮)
連敗した、という事実が重くのしかかる。先週末のオリックス戦から続いているミスがこの日も出た。飛球を見失った山田哲人。焦ったのか悪送球でアウトを奪えなかったオスナ。判断が遅かった(ように見えた)福地寿樹三塁コーチ。「負けに不思議の負け無し」という言葉が頭の先から爪先の先まで染み渡る。野村克也元監督が見ていたなら、さぞぼやいていたことだろう。ぼくだってぼやきたい。
一方で青木宣親に待望の今季初本塁打が生まれ、これまた今季初の猛打賞を記録した。ボテボテの内野安打ではなくしっかりとした強い打球だったのは心強い。8回に二塁打を放ったところでお役御免。さすがに三塁打を残したサイクル安打を残り1イニングで狙ううことは難しかったか。
”新戦力”のひとりである宮台康平が、シーズンに入ってから初めて神宮球場のブルペンで2度投げた。キャッチボールを始めた直後の1球を暴投。その後も暴投していたのは緊張からなんだろうか。(不安は残るものの)ブルペンとはいえ、神宮球場で投球している姿を見られたのはよかった。
そしてサイスニード。神宮球場での初登板はほろ苦いものとなった。5回3失点という成績を見るとなんだかんだ試合を作ったのか、と思ってしまうが実際はそうではない。3回まではよかったけれども4回から乱れなんとか3失点で抑え込んだ。そんな内容だった。
負け投手となったにもかかわらず試合から引き上げる際は一塁側のファンへ向け帽子を取り、感謝の意を込めているのか胸付近に手を当てる場面もあった。強面な風貌ではあるがナイスガイなのだろう。ふてくされている素振りは微塵もない。
そんなサイスニードを見て思い出したのは2018年のこと。序盤は好投しても突如乱れてしまう、そんな投手がいた。その選手の名前はデーブ・ハフ。
ハフも神宮球場で初めて投げた試合で、5回まで無失点投球も6回に突如乱れて5失点。その次の登板でも4回まで無失点に抑え込みながら5回に7失点と急に乱れる投手だった。期待された先発左腕の体たらくに落胆する声も大きかった。
それでもハフは腐ることはなく中継ぎへと転向し見違える。8月以降は11試合の登板でわずか1失点。2位躍進の原動力となった。彼のルーティーンワークであるブルペンのマウンドを挟んで行う強めのキャッチボールが懐かしい。
役割が変えれば息を吹き返す、のは野球の世界ではよくあること。サイスニードもこれで終わりではない。先発でやり返すかもしれないし、もしかしたら中継ぎに転向しハフのように獅子奮迅の活躍でチームを救ってくれるかもしれない。
連敗したけれども気づいたことはたくさんあった。まだまだサイスニードを見限りたくない。それが偽らざるぼくの本音である。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000438
ハフの初登板:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/stats/2018040401
ハフの2試合目:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/stats/2018041102
※ヤクルト公式HPより