2021年5月29日(土)
オリックス[4-7]ヤクルト(京セラドーム大阪)
エースがきっちりと仕事をこなし、海を超えてやってきた助っ人たちが揃って本塁打を放ち勝利をものにした。7-4の点差以上に快勝だったように映る。デーゲームの呪いなんて消え去った。
とはいえ、手放しでは喜べないような気もする。遠く離れた東京の地から画面越しで見ても──宮本慎也さんに苦言を呈されそうな──ミスはたくさんあったから。
けれども勝ちは勝ち。1勝は1勝なのだ。ミスがあった勝ちもなかった勝ちも勝ちの価値は同じ。サッカーのように順位に得失点差が影響するわけではない。
もちろん選手や首脳陣はミスの原因を追求し改善しなくてはいけないかもしれない。が、ぼく(ファン)が反省することではない。
そんななかでぼくがとっても気になったのは石山泰稚さんのこと。この日の石山さんは7-3と4点リードの8回に登板した。
勝ちパターンを出したくはないけれども、お試し起用もちょっと躊躇する厄介な点差。4点ビハインドだとノーチャンスに思えるけれども、4点リードはセーフティーではないという不思議な感覚に陥るのはいつものこと。
でも石山さんなら大丈夫。連打を浴びて1点を失ったけれども、失策絡みであり、あとひとりをちゃっちゃと抑えてくれるでしょう。そう思っていたのに。現実はちがった。
ベンチが選択したのはまさかの清水昇への継投策。3点リードで右から右。ある意味打ち込まれるよりも残酷だった。清水は期待通りに後続を断った。それも注文通り落ちる球での空振り三振で。最高だった。
だけれども素直に喜べないのはぼくだけなんだろうか。まだまだ石山さんへの信頼はないことが明らかになってしまったから。
おそらく石山さんがマウンドに上った時点で──ぼくたちが見ることのできない──ブルペンで清水も投球練習を始めていたはずだ。石山さんに万が一のことがあればすぐに出られるように。
これは神宮球場で清水に対してもあったこと。
4月の半ば。勝ちパターンだった清水が登板しているにも関わらず、ブルペンで準備を始めだした試合が複数確認できている。それもピンチを招いてからではなく。
が、そのときの清水はブルペンの手助けを必要とせず、ひとりで投げきることができた。石山さんは──失策絡みとはいえ──ひとりで投げきることができなかった。この違いはぼくのなかでとても大きい。
勝ったことはうれしい、ミスはしょうがない、でも石山さんの扱いにはなんだかモヤモヤする。
モヤモヤが大きければ大きいほど晴れたときの喜びも大きくなる。そう思いながら、慰めながら、言い聞かせながら若松勉さんが好きだという「金のミルク」を舐めながら心を落ち着ける。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000417
※ヤクルト公式HPより