2021年9月3日(金)
ヤクルト[3-1]広島(東京ドーム)
2倍守った。東京ドームでエキサイトシートに座ったのは初めてのこと。両耳に保護のある少し小さめのヘルメットと右利き用のグローブをはめ1回表から9回表までの全287球を見逃すことなく目で追った。
今までの野球観戦で一番集中していたのではないか。まさに固唾を呑んで見守った。どちらのチームを応援するとかそういうことではなく、頭の先から爪先の先まですべてを追ったあっという間の3時間8分だった。
ヤクルトと広島。今シーズンはそうでもないけれども、過去には複数のいざこざうや因縁があった。戦っている選手たちはその瞬間に命を賭けている。熱く、熱くなるのは当然だ。
それでも試合が終われば、ユニフォームを脱げば、あるいは日本代表やオールスターゲームでチームメートとなればその熱は敵意ではなく共闘の炎に変わる。
それでもファンは推測に次ぐ推測で煽り、敵対心を持つことをやめない。むしろ掻き立てるような人もいる。
それは選手や球団が望んでいる姿とはきっと違う。
試合前のノックの入れ替わり、試合中の塁上での会話や仕草、二塁ベースから外野手への会釈。どれをとっても選手たちは相手に対して、試合では敵ではあるけれども、敬意やリスペクト、野球を愛する仲間として接しているように見える。
同じ1984年生まれの坂口智隆と長野久義は笑顔で話す。ともに移籍を経験したベテラン。今はレギュラーではない立場。明るく慕われるキャラクターも似ている。そのふたりがほんの30秒ほどの間にコミュニケーションをとる。
長野は引き上げる途中にすれ違ったオスナとも会釈。相変わらずのコミュニケーションぶりを目の当たりにした。オスナも思わず何かを発していたほど。
山田哲人と鈴木誠也、村上宗隆と菊池涼介。日本代表コンビは二塁塁上でなにやら話し込んでいた。
エキサイトシートだからといって会話が聞こえるわけではない。それでもネット1枚ないだけで、感じ方は大きく変わる。
チームや選手が好きなのか、それを応援している自分が好きなのか。それとも野球が好きなのか。
ぼくのこたえは決まっている。その”おもい”はずっと守っていく。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000728
※ヤクルト公式HPより