テレビでは映らない福地寿樹コーチのファインプレー | ヤクルトが好き

20210512ヤクルト対広島

2021年5月12日(水)

ヤクルト[0-0]広島(神宮)

4月25日以来の神宮球場での観戦だった。ヤクルト戦後の記事化を始めてからは初の現地観戦後の更新である。モニター越しで見るのと現地で観るのはやはり違う。どっちがいい、ではなく違う。それが改めて明らかになった。

試合はスコアレスドローだったけれども、メモは普段よりも多い。試合前のノックでのポジションを確認するところから試合が始まる。基本的にはいつもの選手がいつものところで受けているのだけれども、油断してはいけない。試合での経験はなくとも、このノックでは経験していることだってあるのだから。

今日はネット裏2F席からの観戦だったこともあり、グラウンド全体、そしてベンチの最前列くらいは見渡すことができた。そのなかで光っていたのが福地寿樹外野守備走塁コーチと森岡良介内野守備走塁コーチだ。というより他のコーチはぼくの座っている位置からは見えなかった。

1回の表の守備が終了した後に通訳を交えて森岡コーチはオスナとなにやら打ち合わせ。打撃面ではなく、守備位置など細かい部分を話したのではないかと推測する。オスナはなにやらうなずいていた。

ヤクルトが守備のときは森岡コーチ、福地コーチともに最前列に陣取って1球ごとではないが、選手に守備位置を身振り手振りで伝えている。同じ打者でもカウントが変わると指示も変わる。常に、ではないが、かなりの頻度で選手たちは動いている。

コーチが見えない位置、もしくはモニターだと選手が自分で判断して動いているのか、コーチが指示を出しているのかはわからない。今日の場合は”ほぼ”コーチの指示だろう。

鳥肌が立ったののは2回2死二、三塁で現在首位打者の菊池涼介を迎えたときだ。カウントが(おそらく)1ボール2ストライクだったと思う。ここで蛍光の手袋をした福地コーチが、右翼を守るサンタナになにやら守備位置の合図を送った。その2球後、菊池はほぼその位置へフライを打ち上げたのである。

守備位置を指示していなかったとしても、捕れたかもしれない。でも、目を覆いたくなるような守備の多い(今日もあった)サンタナである。動かないで捕れるにこしたことはない。一歩でも動く距離を減らしたい。福地コーチの指示が光ったシーンだ。これだけで今日はかなり満足した。

プロ野球の世界において主役は選手たちだ。監督やコーチではない。そのなかでもとくに守備走塁系のコーチは目立たない。目に触れたとしても一塁、もしくは三塁コーチとしてグラウンドに立つ攻撃中だ。そして目立つのは本塁突入の判断を間違えたときである。いいことなどあまりない。

チームによって異なるだろうが、現在のヤクルトでは内外野の守備走塁コーチ2人は守備のときにベンチの最前列──森岡コーチは飛び出しているが──からナインに指示を出しているのである。

その指示が今日のようにドンピシャだったとき、心のなかでガッツポーズしているのではないだろうか。いや、してほしい。ぼくならきっとする。テレビでは映らないし、ニュースで取り上げられることもない。地味かもしれないが、守備走塁コーチたちは、自軍の守備中も重要な役割を担っている。

試合結果 https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000330

※ヤクルト公式HPより

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