崖っぷちだった男・坂本光士郎に見た希望 | ヤクルトが好き

坂本光士郎

2021年5月18日(火)
阪神[3-14]ヤクルト(甲子園)

雨が上がった後の甲子園球場は無風状態。試合中に映し出されたオーロラビジョンの上にある国旗や球団旗は、なんだか肩をすぼめてるようにとても小さく見えた。

そのなかで行われた試合は今シーズン最多の14得点で鬼門だった阪神に大勝した。村上宗隆は本塁打を魅せてくれたし、山田哲人も適時打を放った。サンタナは3打席連続二塁打と気を吐いたし、代打川端慎吾は一・二塁間を抜いた。並木秀尊もプロ初安打を記録している。

投手陣はどうだろう。先発したサイスニード6回途中3失点の内容で来日初勝利。欲を言えば火曜日なんだしもう少し投げてほしかった。とはいえ、来日2試合目。ほんとうの意味での好投は次回にとっておこう。ぼくはお弁当でも好きなものは最後に残しておくタイプだ。

回の途中から登板した梅野雄吾は──失点も自責点もつかないが──ロハスに適時打を許し、四球も出した。0.2回を23球。

そのあとは清水昇、坂本光士郎、吉田大喜が1回無失点と猛虎打線を封じ込めた。大勝に水を差すような投球は見られなかったのは嬉しい。ここから勝ちパターン争いに加わってくるのかもしれない、と思うとわくわくもする。

ぼくが印象に残ったのは4番手の坂本だ。なんと14日ぶりの登板だったが、そのブランクも感じさせず、(むしろよかった)1回無失点。大差勝ちの8回を抑えたことが、ニュースや記事で取り上げられることは99.8%ないだろう。強いて言えば佐藤輝明を空振りの三振にしとめたことだろうか。

そんな坂本は2018年ドラフト5位で入団した3年目の左腕。社会人出身ということもあり今年27歳になる。1年目は19試合に登板するも防御率5.82。去年の登板はわずか1試合で防御率12.00。社会人出身下位指名の中継ぎ左腕が結果を残せず、何年もチームに残ることはほとんどない。今年ダメなら(ドラフト次第では)戦力外でもおかしくなかった。

それがどうだろう。開幕一軍を勝ち取ってから今日で15試合目。プロ初勝利も記録したし、ここまで防御率3.29とまずまずの内容。壊滅的だった去年のWHIP3.00が今年は1.02と大きく改善している。風が吹いた。

良いとき、悪いときの波は大きくあるものの、ぼくが2年間見てきた四球を出すと肩をすぼめている(ように見える)坂本はもういない。「今日は何キロ出るかな? 」(もちろん球速だけで抑えられるわけではないが)と期待させてくれる坂本がそこにはいる。

こんなに変わるんだ、変われるんだ。

成績や年齢、チーム事情を見て、いわば崖っぷち(のように見えた)坂本が、去年はまったく一軍の戦力になっていなかった坂本が、これだけの戦力になっている。この事実がとても大きな希望に見えた。

試合結果: https://www.yakultswallows.co.jp/game/result/2021000358
※ヤクルト公式HPより

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