奥川恭伸が「Our Hero」になる未来 | ヤクルトが好き

奥川恭伸

2021年5月27日(木)
ヤクルト[5-2]日本ハム(神宮)

午前中から激しい雨が降っていた。ぼくは朝からなんとか中止になってほしいと願っていた。5月下旬とはいえ雨が降りしきる神宮球場でのナイター観戦は肉体的にも精神的にもしんどい。

ノートを取れないし、安物だから雨で濡れると壊れそうな双眼鏡を出すのも躊躇する。それでも雨の中を出発し定刻前に着席しているのだから、野球好き(ぼく)の習性は恐ろしい。

およそ3時間後。ぼくは「来てよかった」と心から思えていた。雨が大して降っていなかったからではなく、試合に勝った、負けたといった理由でもない。成長、というよりも進化の過程を目の当たりにしたからだ。

もしかしたら「すごい選手」ではなく、「とんでもなくすごい選手」なのかもしれない。

昨年の11月。この神宮球場でデビューした奥川恭伸は、ほろ苦いどころか強烈なプロの洗礼を浴びた。試合後には鈴木誠也(広島)が「いい投手なのは間違いないですし、来年、再来年と出てくる投手」とコメントしていたがリップサービスにしか受け取っていなかった。

あれから半年。雨の中マウンドに立つ背番号11は──単なる野球ファンのぼくが見ても──明らかに変わっていた。なによりも安心できる。投げるだけでなく守備もいい。そして全力疾走。

海を渡った大谷翔平(エンゼルス)と同じように、この選手は野球がほんとうに好きなんだな、と人一倍感じさせてくれる存在となった。もちろん実力はまだまだ大谷には遠く及ばない。それでも打者としてはさておき投手としてだけなら──。そんな期待もしてしまう。

2000年代以降のヤクルトというチームは野手のスターがたくさん育てきた。青木宣親、山田哲人そして村上宗隆。いずれもチームだけではなく球界を背負って立つ選手へと羽ばたいた。

しかし投手ではそういった存在は残念ながらひとりもいない。石川雅規や館山昌平、五十嵐亮太ら素晴らしい投手はたくさんいた(る)。でも球界を背負うスターという存在ではなかった。「My Hero」ではあっても「Our Hero」ではなかったと思う。

神宮球場が打者有利だから投手には厳しい──そう言われて久しい。データで見ても明らかだ。それでも奥川なら乗り越えてくれるんじゃないか。そう期待せずにはいられない。だって奥川だから。

ヤクルトファンだけでなくプロ野球ファン、そして世界の野球ファンの心をつかむ可能性を秘めている。「Our Hero」になる日はそう遠くない。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000402
※ヤクルト公式HPより

記事参考:https://www.tokyo-sports.co.jp/baseball/npb/2392359/
※鈴木誠也のコメント

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