世界の誰よりも輝いた高梨裕稔 | ヤクルトが好き

高梨裕稔

2021年6月30日(水)
阪神[2-2]ヤクルト(甲子園)

アナウンサーが叫んだ。

「昨日も見たぞぉ昨日も見たぞっ。こんな打球。村上24号ホームランです」

村上宗隆のアーチは佐藤輝明の頭上を超え右翼スタンドへ飛び込んだ。海の向こうで大谷翔平がやっていことを日本では村上がやってのけている。

さすがに二刀流は無理にしても、たくさんの本塁打を放つ、ファンを魅了するという部分においては引けを取らない。終盤に追いつかれ悔しい引き分けに終わった試合を有意義な時間に変えてくれたのは村上の一発だった。

昨日の試合が始まる前の段階で、阪神には1勝8敗1分と苦戦を強いられていた。まさに天敵。この日のマッチアップも防御率トップの青柳晃洋と二軍再調整から復帰したばかりの高梨裕稔と分は悪い。それでも引き分けに持ち込んだのは大きい。

打の立役者が村上なら投は高梨だった。ここまでの6試合すべてでイニングの途中でマウンドを降りており、そのうち5試合が6回での降板と不甲斐ない投球が続いていた。

イニングなのかそれとも球数なのか、それとも他のなんらかの要因で高梨は6回に崩れていた。高梨はこんなもんじゃない。ファン(ぼく)はそう思っていた。ちなみにぼくはイニングでも球数でもなく「相手打者の3巡目」が要因だと睨んでいる。

その高梨が鬼門を乗り越えた。6回1失点、7奪三振はイニング数も奪三振数もともに今シーズンベストの数字だった。冴え渡る変化球で本塁打と対を成す三振を量産した。鎌ヶ谷の奪三振マシーンが甲子園で誰よりも輝いて見えた。

これまでヤキモキさせられる投球が続いていたが払拭し、ローテーション入りをぐっと引き寄せる投球。明日の景色が動いた。いや、動かした。

降板するたびに厳しい言葉を発していた高津臣吾監督も、「高梨は初回に点を取られたけど、こういう展開に持っていけたのは収穫」と喜んだのもうなずける内容だった。

これまでの苦言も、高梨のことを「もっと輝ける」そう信じていたからこその愛のムチだったのかもしれない。さすが野村克也監督の教え子だ。

次回の登板ではファン(ぼく)が「前回も見たぞこの投球。この奪三振。高梨が好投です」と叫びたくなることを期待している。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000556
※ヤクルト公式HPより

記事参考:https://www.sanspo.com/article/20210701-53W6XGWNWBPELIFE5K42ACYHGI/
※高津監督コメント

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