2021年7月2日(金)
中日[3-9]ヤクルト(バンテリンドーム)
甲子園の余韻が名古屋にも残っていた。序盤から打線が繋がり15安打9得点。先発野手でノーヒットに終わった山田哲人は先制の犠牲フライを放ち、吉田大成もバントを決めた。そしてなにより二人のコンビで華麗なアウトを奪っている。
中継ぎ投手陣もがんばった。梅野雄吾がリフレッシュによる抹消となった影響がいい方向に作用したように見える。昨シーズンなら軸の投手がいなくなるとバタバタ崩壊していたが昨日は違った。
大西広樹、星知弥、大下佑馬、吉田大喜がいずれも無失点投球。梅野が帰ってきても「お前のポジションないから」と言い出しそうなアピールぶり。星、大下、吉田大喜の3人は点差が開いてからの登板だったとはいえ抜群だった。勝ちパターン以外の投手がしっかりと締めることができるとチームが安定する。
投打がガッチリ噛み合ったうえでの2連勝。みんながみんな役割を果たした、わけではなかった。
この試合で唯一といっていいほど結果を残せなかったのが先発の高橋奎二だった。4回途中3失点、被安打6、与四球3(83球)での降板。負けはついていないとはいえ、かなり苦しい内容だった。
試合後に高津臣吾監督は、「バランスも悪いし、あるのは力みだけ、と。ちょっとこの試合を落とすとすごく大きなとダメージになると思ったので、あまりにピリッとしなかったので、救援に変えようと思いました」と早めに決断した背景を明かしている。
たしかにこの試合は悪かった。でもそれまでの2試合の内容は素晴らしかった。2試合連続QSを達成し2連勝。昨シーズンまでのバタバタする姿は見当たらなかった。だが、プロ野球の世界は甘くない。3試合連続で好投することはなかなかにむつかしい。
今シーズンのヤクルトで3試合連続でQSを達成し、白星を勝ち取ったのは小川泰弘ただひとり。石川雅規は3試合3連勝したが雨天コールドがあり1試合は6回を投げきっていないという不運があった。田口麗斗は3試合連続QSを2度達成しているが、1勝1敗と0勝1敗で3連勝どころか勝ち越しもできていない。
3試合連続で好投し、なおかつ打線の援護を受けるというのは実力はもちろん運も必要になってくる。この日の高橋は打線の援護をもらえるという運はあった。でも実力が足りなかった。
今シーズンのヤクルトは調子の悪い選手がいても、調子の良い選手がそれをカバーしている。調子の波が微妙にずれているのか、全員が不調という大惨事にはなっていない。この試合では高橋が野手、そして中継ぎ陣に助けられた。次は高橋が助ける番になればいい。
高津監督は試合後にこうも言った。
「きょうは大いに反省して来週に生かしてほしいなと思います」
次の先発登板は約束されている。それはここまでの2試合で見せた実力で勝ち取ったもの。今シーズン初となる本拠地神宮球場で運も実力も兼ね備えた高橋の登板をファン(ぼく)は待っている。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000565
※ヤクルト公式HPより
記事参考:https://www.sanspo.com/article/20210702-XQFUBQTDCRI67B76GCVIM7ZD5Q/
※高津監督コメント