書き換えられた頭の中の古賀優大 | ヤクルトが好き

古賀優大

2021年7月3日(土)
中日[1-5]ヤクルト(バンテリンドーム)

最後の最後で完封勝利をは逃した。それもまた小川泰弘らしいといえばそうなのかもしれない。

1ヶ月半前にマダックスを達成したとはいえ、9回の小川はちょっと怖い。七夕の悲劇もそうだし昨年も完投目前の9回に5失点し薄氷を踏む思いをした。よく1失点で踏みとどまった。

その小川とバッテリーを組んだ5年目の古賀優大が打撃で魅せた。この試合の前までの打率は2割に届かない打率.175。初めて長打を記録したのもなんと前日の試合のこと。正直、特例2021で抹消されている中村悠平と比べると打撃面での期待値は低かった。

その古賀が自身初の4安打を記録し、3打点の大活躍。盆と正月が一緒に来た。

試合終了後に高津臣吾監督も、「古賀が1年分打ったのかなと思ったけど、やっぱり3年分ですね」と驚いたほど。ちなみにぼくは、「3年分(の努力が実ったん)ですね」とかなり好意的に解釈している。

4安打の中にはラッキーな安打もあったけれども運も実力のうち。中村が初めて1試合4安打を記録したのは、高卒11年目だった2019年のこと。古賀は6年も早く快挙を達成した。「打てる捕手」とはまだまだ言えないけれども、1試合4安打は誇っていい。

この大当たりで頭の中の古賀という選手の印象が塗り替えられた。これまでに長打は1本だけであり、もちろん本塁打も記録していない。そもそもスタメンでの起用回数が少なく神宮球場で見る機会は多くない。

そんなぼくが古賀に持っていた印象は”雨中の激走”だ。3年前のゴールデンウィーク最終日。延長11回裏2死から四球で出塁した古賀が坂口智隆の二塁打で長駆ホームインしたあの試合のこと。3年前は延長戦があった─。

試合終盤から降り出した雨の中、1点ビハインドの9回2死から「代打・大引啓次」のホームランで同点。10回には伝説の「代打・風張蓮」もあった。

いろいろあった試合。ゴールデンウイーク9連戦の終止符を打つホームを踏んだのが古賀だった。フルカウントからのオートスタートだったとはいえ、かなりの激走だったことを憶えている。古賀は走れるんだ──。これが古賀のプロ初得点でもあった。

あの日以来、今日の今日まで頭の中の古賀は3年前の「走れる捕手」のままだった。それが今日から「1試合4安打を打った捕手」に書き換えられた。

記憶を書き換えてしまうのは寂しいことでもあるが、それは成長の証でもある。どうせなら、「打てる捕手」になるまで書き換えてほしい。

書き換えたと言っても男は別名保存。上書きはされていないから安心してほしい。ぼくは全部の記憶を残しておく。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000570
※ヤクルト公式HPより

2018年5月6日の試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2018050601
※ヤクルト公式HPより

記事参考:https://hochi.news/articles/20210703-OHT1T51135.html
※高津監督コメント

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