別名で保存された山田哲人らしい佇まい | ヤクルトが好き

山田哲人

2021年10月17日(日)
DeNA[3-7]ヤクルト(横浜)

地上約30メートルからの眺めは壮観だった。雨が上がり風が吹く横浜の夕暮れは黒い。スコアボードの上部よりも高くに位置する座席から見える選手たちは小さく、チェスのコマのように動かせそうでもある。

そのなかでもひときわ目立ったのが、背番号1の山田哲人キャプテンだった。ファン(ぼく)の目に映る姿は小さくても存在は大きく頼もしい。

守備ではセンター前に抜けようかというあたりを華麗に処理し、出塁を許さない。ここ数日、右側(センター方向)への反応が目に見えて光っている。左側(一塁方向)の打球処理に定評がある山田が右側も光るようになったらまさに鬼に金棒。もしかしたら能ある燕(鷹)が爪を隠していたのかもしれない。

打撃では勝ち越しの犠牲フライに相手を突き放すタイムリーツーベース、そして試合を決める3ランホームラン。意味のないシーンなんてひとつもない。どれも効果的な打点だった。

取り上げられる頻度は村上宗隆のほうが多くなった。若干21歳にしてホームラン王を争い、日本代表としても一緒に戦った。ベンチ内で味方を鼓舞する姿も話題になるほどの頼もしい後輩だ。先代の背番号1そしてキャプテンである青木宣親もどちらかというと、というかまさに村上と同じようなタイプだ。大きな声で盛り上げ、闘争心を全面に出していく。

世代的に青木と村上に挟まれている山田のタイプは正反対に映る。自身でキャプテンに立候補した積極性はあっても、目に見える形の闘争心を押し出す姿は見られない。

その是非はさておき、一塁到達が際どいタイミングでもヘッドスライディングはしない。青木や村上は躊躇なく頭から行くであろう場面でも山田は駆け抜け、両手を目いっぱいに広げセーフのジェスチャーを出す。冷めているようで心は熱い。サヨナラ内野安打になった試合でもそうだった。

この試合で試合を決める3ランを打った後も、先日のオスナのような感情むき出しのパフォーマンスはしない。ゆっくりと歩きだしベンチに向かって小さくガッツポーズをしてみせるだけ。インパクトのあるポーズはどこにもない。

それでもファン(ぼく)の心には淡々とした、それこそ山田らしい佇まいが別名で保存された。こういうキャプテンもすごくいい。

今年、保存された山田はいくつ目だろう。あといくつ保存されていくのだろう。ファン(ぼく)の容量はまだまだ空きがある。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000941
※ヤクルト公式HPより

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です