小川泰弘が呼び戻した2013年の記憶 | ヤクルトが好き

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2022年6月3日(金)
ヤクルト[1-0]西武(神宮)

時代が時代なら小川泰弘は9回も続投し「野球は1人でもできる!」といった見出しが踊っていたかもしれない。

しかし時は令和。そんなことはまるでなかった。

小川は8回まで自身のソロホームランで奪った1点を守りきりマウンドを降りた。

ここまで95球と余力はあった。打順が回ってきたわけでもない。

もし2点目が入っていたならば続投だったかもしれないが──厳密には少し違うけれども日本シリーズの第2戦・高橋奎二のように──1-0とリードは最少。守護神マクガフへの継投は想定通りだった。

そもそも謙虚な小川だ。ましてや選手会長。笑えるとしても”煽り”の入ったコメントなど出すはずもなく、どんなに婉曲しても「野球は1人でもできる!」には程遠いだろう。それが小川という男だ。

この日は小川だけ9年前に戻っていた。点をとった後にとられる、不甲斐ない、とてもエースとは呼べない小川はどこにもいなかった。新人ながら”旋風”を巻き起こしたあの小川がマウンドにはいた。

ピンチらしいピンチなどなく、最大限に注意を払わなければいけない山川穂高や中村剛也にも投げ間違いと呼ばれるようなボールはなかった。

スコアラーの情報を元にバッテリーコーチが作戦を考え捕手と共有。それがサインになって現れ小川が投じる。どれかひとつでもうまくいかなかったら、快投は見られなかったはずだ。それを信じ”強気”で小川が攻めた。

自身3本目のホームランも2013年の記憶を呼び戻す。バレンティンが前田健太(現ツインズ/当時広島)から放った”アレ”。高めの見逃せばボールになるであろう球を振り抜きレフトスタンドへ運んだ。

https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1532669281422303232

2013年──16勝を挙げたエース小川と60発を放った圧倒的な主砲バレンティンがいた。それでもチームは最下位だった。

2021年──16勝どころか10勝を挙げた投手は1人もおらず、村上宗隆やサンタナはいたけれどもバレンティンほど突出したスラッガーはいなかった。それでもチームは優勝した。

時代は変わる。チームは変わっていないようで変わっている。2013年の記憶を呼び戻した小川の宿る2022年。チームはどんな軌跡をたどるのだろうか。

ほんとうに取り上げたかったのはここだけど、マニアック過ぎてやめた笑

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005766
※ヤクルト公式HPより

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