2022年6月21日(火)
中日[2-1]ヤクルト(バンテリンドーム)
負ける時というものは案外あっさりとしている。延長10回サヨナラ負け。結果としてリリーフ勝負で負けた。切り札の田口麗斗が打たれたのならしょうがない。
延長戦において先攻は守護神を温存した上で、いい投手から順番に起用していくのがセオリーとされている。
ここ最近は今野龍太のほうが清水昇より序列が高いように見受けられた。だから、順番的にもおかしくない。ピンチを招いたから火消しとして田口を投入。右の代打が出されるのは想定通り。それでも田口に賭けた。
もしかしたら”マクガフを投入していれば”、”今野ではなく清水を投げさせていれば”というifはあるのかもしれない。でもそれを言ったらきりがない。この試合は打てる手を打っての敗戦。やりくりのなかで人事を尽くして天命を待つ。まさにこういった状況だった。
さて、今シーズンはメンバーが固定されていないようで固定されている。
細かく見るとサンタナの離脱、青木の不振で両翼は固定されてない。先発ローテーションも従来とは異なり、中6日にとらわれない形で柔軟に組まれている。中継ぎも守護神のマクガフこそ固定されているものの、7回や8回を投げる投手は連投や調子によって起用が変わる。
でも、固定されていないなかで起用されている選手の顔ぶれは固定されてきた。多くの選手に一軍でのチャンスが与えられているわけではない。
つい先日出ていた記事によると一軍未出場の選手は12球団のなかで最も多いという。交流戦終了時点では(故障や高卒1年目など各球団それぞれの事情があるとはいえ)結果として一軍で出番のない選手が最もいるのはヤクルトだった。パーセンテージにすると35%。最も少ないのが中日と日本ハムが16%。これがひとつの答えでもある。
固定されること、固定されないこと、どちらがいいのかはわからない。選手としても立ち位置によって気の持ちようがきっと変わってくる。チャンスは多くても、ちょっと結果を出したくらいでは代えられてしまう。これはこれでやりにくさがありそうだ。
そのなかで今野と田口がこの試合だけを見れば役割を果たせなかった。ここまで残してきた今シーズンの結果を見れば(怪我をしていない限りは)この1試合だけでファームに落ちるとか、そういったことはないだろう。
それでもその他の選手はある意味チャンス。そういったことを考えているのかな。口には出さなくても考えないとプロではやっていけないよな。そんなことも思う。
高津臣吾監督も『一軍監督の仕事』で考え方(マインドセット)のことをこう語っていた。
「一・五軍」的な立場の選手たちは、一軍のレギュラーを取りに行くのではなく、そのポジションをキープする方向に頭が働くようになる。人間、安定を求めるからどうしても自分の地位を失いたくないのだ。これだと球団としても使い方が難しくなる。(中略)口には出さないが、態度でそれが分かってしまう場合もあるのだ。
一軍監督の仕事(光文社新書)
この試合を見て二軍を含めた中継ぎ陣はどう感じたのだろう。「次は俺(ぼく)にチャンスを」そう思っている選手はどれだけいるのだろう。仲が良いとされる部分がとってもクローズアップされるけれども、本気の競争はどれだけ起こっているのだろう。
もっともっと、貪欲さ、がみたい。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005838
※ヤクルト公式HPより
一軍未出場選手:https://hochi.news/articles/20220615-OHT1T51055.html?page=1
※スポーツ報知より