2022年7月29日(金)
阪神[6-0]ヤクルト(甲子園)
完敗だった。先制され、中押しされ、ダメを押された。負けるにしても勝ちパターンを起用させるとか、なんらかのダメージを与えることがでできればよかったけれども叶わなかった。
先発の西勇輝は7回無失点。8回からは勝ちパターンではない投手たちに、いとも簡単に封じ込められた。
選手が揃いきっていないというのは言い訳でしかない。フルメンバーだって、そうじゃなくたって公式戦で戦っている以上は1勝も1敗も同じ扱いだ。
こういう試合は光を見つけることに注力するのが精神衛生上よしとされている(ぼく調べ)。
この試合では2番手で登板した久保拓眞が光った。2018年ドラフト7位指名の大卒左腕。これまでの3年間で一軍実績は皆無。3年目の昨シーズンは一軍登板の機会すらなかった。
今年も二軍では23試合の登板で防御率5.04。置かれている状況は厳しい。かなり厳しい。自分の立ち位置は誰よりも久保自身が分かっていることだろう。
そんななかで久保はこの試合で1回3分の2をパーフェクトに抑えた。制球が乱れる場面もない。勝ちやセーブはもちろんホールドすらつかない、ノンプレッシャーの場面であったことはまちがいない。それでも結果を残すことができたのは大きな進化といっても差し支えないだろう。
これで7月に入ってから4試合連続無失点とコロナで壊滅的になっているチームに差し込む光となりつつある。この日、同じ中継ぎ左腕の坂本光士郎がトレードでチームを去った。ライバルがひとり減るかと思いきやそんなことはなかった。代わりにやってきたのも同じ左腕の山本大貴だった。
現在の中継ぎ左腕事情を見ると田口麗斗が一歩抜けている。その次の座を久保、宮台康平、そして山本で争うことになりそうだ。中継ぎ左腕は多いにこしたことはない。でも、いないならいないでなんとかなってしまうのも事実だ。現に昨シーズンは9月半ばに坂本が登録を抹消されてから田口がひとりで回していた。
いないならいないでもなんとかなる、でも、いるならいたほうがありがたい。そんな中継ぎ左腕のポジションを崖っぷちにいる久保が射止めるかもしれない。そんな投球内容だった。
手に汗握らない試合展開でも光る選手はいた。最悪でもなんでもない。負けたことは悔しく残念だけれども悲観することはなにもない。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021006006
※ヤクルト公式HPより