冴え渡った高津監督の勝負師としての勘 | ヤクルトが好き

甲子園球場

2022年7月31日(日)
阪神[2-4]ヤクルト(甲子園)

文句なしでヒーローは村上宗隆だった。もちろんピンチを脱した3連投の久保拓眞をはじめとした中継ぎ陣も全員が称賛に値する。

勢いに乗る2位の阪神。2連敗で臨んだこの試合を落とせばゲーム差は8に縮まる。8ゲームあるけれども、8ゲームしかない。2011年に中日にまくられたときは8ゲーム差だった。そんな嫌な流れを一掃する勝利。最後の最後で踏みとどまったのは1勝以上の価値がある。数字的にも心理的にも。

そういえば去年10月に甲子園球場で行われた阪神との2連戦。初戦を奥川恭伸で落としたけれども2戦目をスコアレスドローの引き分けに持ち込んだ。2連敗だけは避けたかったところで踏みとどまり1分1敗。あの試合も阪神の先発はこの試合と同じガンケルだった。

去年のことだけでなく、もっと昔のことまで思い出すのは年を重ねたからだろうか。

さて、3連敗だけは避けたい高津臣吾監督はこの試合で動いた。先発投手が早い段階で崩れると躊躇なく3連投になる久保を投入。ピンチの芽を摘み取った。前日は先発を引っ張り、今の打線だと少しひっくり返すのがむずかしそうな5点を失った。その教訓を生かした。応えた久保も自分の居場所を掴んだ。

2-2の同点で迎えた9回裏、梅野雄吾は先頭の大山悠輔を四球で歩かせた。サヨナラの走者になるけれども無理に勝負に行くことはしなかった。これは高津監督が指示したのか、それともバッテリーの判断だったのかはわからない。けれどもホームランのリスクの高い大山を”申告しない敬遠”で避けたのは吉と出た。

大山には代走が出された──強打者を引っ込めさせた──が、次打者でゲッツー。これは結果論だが、最高の形だった。サヨナラ負けをすることなく延長戦へと持ち込んだ。結局、延長11回に大山のいた5番に打席が回り、ここで試合が終わった。

プロ野球というか勝負ごとは”勝ったら選手のおかげ、負けたら監督のせい”これが鉄則だ。この試合で言えば村上であり久保をはじめとした中継ぎ陣のおかげで勝った。でも、それをお膳立てしたのは紛れもなく勝負師としての勘が冴えた高津監督だった。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021006018
※ヤクルト公式HPより

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