「代打・濱田太貴」から感じた聖域を作らないということ | ヤクルトが好き

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2022年9月3日(土)
ヤクルト[1-5]中日(神宮)

特別扱いされる選手はいない、そんな試合だった。5点ビハインドの8回、先頭の8番・長岡秀樹が出塁する。代打の内山壮真が打席に向かうと同時にネクストには背番号「9」ではなく「51」が入った。

この日、まったくタイミングの合っていなかった、この日を含めて5試合で22打数1安打の塩見泰隆に代えて濱田太貴を送り込む準備をした。ブラフの可能性ももちろんある。

内山が繋いで無死二、三塁となったことろでコールされたのはやはり「濱田太貴」だった。

5点ビハインドの8回、犠牲フライは最低限でもなんでもない。タイムリーが理想であり、アウトだとしても内野ゴロで1点を奪い二塁走者を三塁に進めることが最低限。濱田は見事にそれをやってのけた。

最高の結果ではないけれども、二ゴロで1点を奪い二塁走者は三塁へと進んだ。

ほっとした、と同時に今のヤクルトの野手陣に”聖域”(聖域の定義は人それぞれかもないが)なんてものは存在しないことが明らかになった。山田哲人であれオスナであれ苦手投手のときはスタメンを外れる。サンタナだってあたりが止まったら打順が下がったし、スタメンから外れた試合もあった。

固定されているのは4番の村上宗隆だけ。ただし彼は聖域でもなんでもない。圧倒的な成績を残しているから、当然のようにそこにいる。それ以外の選手はなにも約束されていない。

強いて言うなら8番・遊撃の長岡が聖域なのかもしれない。が、これは聖域というよりも育成枠であり、高津臣吾監督の言葉を借りるなら「腹くくっていったれぃ!!」といったところだろう。

もちろんその他の選手が少ないチャンスをものにできなかったという事情もある。控え選手は一瞬のチャンスをものにしなければ掴めない。

遊撃でフル出場して打率.244、7本、42打点、守備もできる。そんな選手他にいる?上位打線ならたしかにきつい。でも8番なら最高だ。

強力打線があるからこその育成枠。他球団だけれども小笠原道大や阿部慎之助、ラミレスらに守られて育った坂本勇人の2年目のようだ。

信じることもするし、外すこともする。その境界線は外から見てるだけではわからない。打率や出塁率といった率なのか、打席数なのか、はたまた勝負師としての勘なのか。

高津臣吾監督の理想とはきっとちがう。いや、絶対に違う。

高津監督は”固定したい”という趣旨のことをインタビューで語っていた。先発ローテーションも守護神もそう。それが今のヤクルトではできていない。そのなかで理想とはちがってもやりくりをしながら、(就任2年目からは)勝利を積み重ねてきた。

1番・中堅に定着した塩見といえども安泰ではない。聖域を作らず、競争させながら、”強い”固定メンバーを作ろうとしている。そんな予感がした、代打濱田だった。

20220903:GAME120[S1-5D]70勝48敗2分/M消滅/神宮32勝26敗/小川6.2回5失点/市川&久保無失点/キブレハン痛恨ミス/村上猛打賞/塩見に代打濱田/宮本出番なし #swallows

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021006186
※ヤクルト公式HPより

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