2022年4月2日(土)
ヤクルト[3-2]DeNA(神宮)
純粋に楽しかった。チームが久しぶりに、公式戦では今年初めて神宮球場で勝ったというのももちろんある。でもそれ以上の気持ちがある。
山田哲人や村上宗隆が打った、高橋奎二が粘った。田口麗斗は1球で仕留めた。梅野雄吾はピンチを作りながらも抑えた。守備固めで入った荒木貴裕がファインプレーを見せた。これほどわかりやすい画(え)はない。この日、初めて観戦に訪れた未来のファン候補が、当日にファンになったとしても驚かない。
プレー以外での見どころもあった。「2番・ショート」で長岡秀樹がスタメン起用され猛打賞。終盤のチャンスで「代打・青木宣親」からの「ネクスト・川端慎吾」は湧いた。
昨シーズンから定番だった佐野恵太(DeNA)に対する「佐野シフト」が序盤は敷かれなかった。前日にシフトの上を通り抜ける弾丸ライナーを打たれたからなのか、それとも別の意図があったのか。終盤になってからシフトを敷いたのも興味深い。
3時間45分のなかに、こんなにもたくさんの見所があった。打った、抑えた、守った、いやそれ以外の部分、打順やら代打攻勢やら守備体型やらいろんなところで。
そのなかでぼくが印象に残ったのは村上だった。村上の三塁守備はお世辞にもうまくない。記録に残るエラーだけでなく、サードゴロの一塁送球も安定していない。相手チームと比べてしまうとその差は歴然だ。そんな村上が見せた一瞬の動きに驚いた。
ある場面のこと。村上は投手が投球を投じると同時に三塁ライン際へ守備位置をずらした。左打者のアウトコースへのストレート。相手打者は反応せずボールになった。結果だけ見ればただの1ボール。それでもこの動きから想像は広がる。
左打者に対するアウトコースへのストレートは仮に打たれたとしても、ほぼ流すだけ。三遊間を抜かれたらシングルで収まるがライン際を抜かれたら長打になる可能性がある。だからライン際を締めた。
村上の頭の中でこう考えたのかはわからないし、サイン的ななにかがあったのかもしれない。それでもこうやってアウトにするために、ひとつでも進塁を防ぐために対策を立てていることが感慨深かかった。
あの動きを見ただけで満足できた。その試合でサヨナラ打を決めるなんてやっぱり村上はすごいんだな。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005464
※ヤクルト公式HPより