2022年9月4日(日)
ヤクルト[3-6]中日(神宮)
先発投手の投球はさておき(さておけない)、線ではなく点でみたらおもしろい試合だった。
高橋宏斗対村上宗隆はさすがだったし、R.マルティネス対村上宗隆もそう。見ごたえはあった。これが野球の醍醐味だ。逃げ回ってるだけではおもしろくない。
もちろん野球はチームスポーツであり、個人の成績よりもチームの勝敗が大事だ。作戦でもなくボールが続いてしまう投球はあれだけれども、作戦上申告敬遠、あるいはボール球を投げ続けることもあるし、そこに対して不満はなにもない。
勝負ができる投手はなによりも素晴らしい。なにもストレートが速くなくたっていい。石川雅規が変化球を操り、最後はインコースへ130キロ台のストレートを差し込むのだって十分に見応えがある。勝負とはそういうものだ。
さて、高津臣吾監督はビハインドのゲームでは、試合をたたみにかかることがよくある。諦めているというよりかは割り切っている。シーズンのことを考えれば悪くもなく、当然とも言える。が、この日はそうじゃなかった。
興味深いシーン、いや、諦めていないことを決定づけるシーンがあった。この試合では3点ビハインドの9回、2死からサンタナが四球で出塁した。ここで高津監督は代走を”出さなかった”。ベンチには丸山和郁 も残っていた。
これで高津監督はまだ勝負を諦めていなかった。9回に3点ビハインドででた一塁走者に代走を出すことは、よほど足に不安のある選手に対してでなければ普通はしない。代走を出すとすれば満塁となった場合の一塁走者だ。
だけれども、代走が出ないことに”勝負を諦めた”的な感想を漏らすファンが多くいた。プロ野球のセオリー(正しいか正しくないかはさておき)を知っていると知らないで見え方がこうも違うのか。
たまたまではあるが、阪神対巨人戦でも同じような場面があったようだ。
阪神は0-2と2点ビハインドの9回2死から大山悠輔が出塁し、代走の江越大賀を起用。さらには盗塁まで仕掛けたという。ふつうはない。ソレに対して真弓明信氏の解説はこうだ。
用兵面で、理解できなかったのが、最終回の攻撃だ。2死から大山が出塁して、江越が代走で起用された。盗塁で二塁に進んだが、代走も盗塁も必要だろうか。この状況で、同点にするには、打者ロハスの本塁打しかない。追いついた場合、延長戦で再び大山に打席が回ってくる可能性がある。代走が必要なのは、ロハスも出塁した時だ。同点のランナーになるため、ここでカードを切るべきだ。さらにいえば、2死一塁での盗塁はあまり意味がない。アウトになれば、試合が終わってしまう。勝ちにこだわることを考えれば、全く動く必要がなかった。全員で野球をやるというのは、そういう意味ではないと思う。
日刊スポーツ
ヤクルトも阪神も昨日は負けた。そのなかで垣間見えたちょっとした”差”。これが積み重なって今の順位に影響しているのかもしれないな。
20220904:GAME121[S3-6D]70勝49敗2分/M消滅/神宮32勝27敗/原5.1回5失点/田口背信/今野火消し/木澤&大西無失点/村上51号/山田タイムリー/宮本代打で凡退 #swallows
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021006192
※ヤクルト公式HPより
記事引用:https://www.nikkansports.com/baseball/column/analyst/news/202209040001799.html
※日刊スポーツより