これが男の意地。4度目の川端慎吾 | ヤクルトが好き

川端慎吾

2021年6月6日(日)
ヤクルト[9-6]西武(神宮)

打っても打たれる見慣れた光景。激しい乱打戦にけりをつけたのは、世界に輝くナンバー1こと青木宣親だった。キュッと音がするようなスイングから放たれたボールは、スタンドインしなかったけれども打った瞬間に「痛烈、一閃!」と叫びたくなるほど鋭かった。

そしてもうひとり。代打の切り札・川端慎吾が魅せた。満を持して登場した川端が魅せてくれたのは、「これぞ川端」というライナー性のツーベース。ダメ押し点を奪うには十分すぎるあたり。

ホームランもいいけどツーベースもいい──うなずきながら野球通っぽく語りたくなるベテランふたりの打席だった。

この日の川端はほんとうの意味で「満を持して」だった。8回裏の出番が来るまでに3度もネクストバッターズサークルに入っている。ベンチにもいろいろな思惑がある。出番が来ないのをわかっていながら、相手に揺さぶりをかけるためだけに入っていることも当然あるのだろう。

とはいえ、出番が来るまでに3度も入り、4度目でようやく打席に入ることになる、とは思っていなかった。少なくとも今シーズンの川端が神宮球場でこれだけネクストに入ったことは一度もない。

投手がキャッチボールする時間を作るために、代わりに入るような立場ではない。それは若手の仕事だ。川端がネクストに入るというのはそういう意味合いとは少し違う。相手に対し、「代打・川端があるぞ」と思わせる心理的な効果。これがある。

今年の川端には恐怖感を与えることができる成績が伴っている。この日を終えて代打での成績は打率.357(28打数10安打)、7打点。ホームランはなくとも、「名前だけで出ています」といった雰囲気は微塵もない。まさに代打の切り札。ここ数年、苦しいシーズンを過ごしてきた川端が、ここまでの結果を残しているのはとても嬉しい。レギュラーで出ることができないのはさておき。

が、その座は決して安泰ではない。代打での限られた出場では、少しの不調で打率は下がる。1試合で複数の打席に立つことも少なく、取り返すのが至難の業なのはいうまでもない。一振りに賭け、自分に打ち克っていかねばならない。翌日に取り返す可能性がくるレギュラーで出続けるよりもきっと難しい。

そして強力なライバルもいる。今年ではないにせよ、青木が代打枠に回ってくる日は必ずやってくる。左の代打の切り札枠を川端と青木で争う光景。嬉しくもあり寂しくもある。

本来であれば順番が逆のはずだったのに、とも思う。でも、受け入れるしかない。

いろんなことを思い浮かべたこの日はレディースデーだった。そんな日に若いイケメン(とされる)選手以上にベテランふたりが存在感を放ってみせたのは「若いのにまだまだ負けてられるか!」という男の意地だったのかもしれない。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000456
※ヤクルト公式HPより

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です