高橋対決を見て奮い立ってほしい寺島成輝 | ヤクルトが好き

寺島成輝

2021年6月24日(木)
広島[1-4]ヤクルト(マツダスタジアム)

セ界の本塁打王争いを独走する村上宗隆の一発は度肝を抜かれた。村上にしては珍しく「文句なし」のあたりではなく、どちらかというと、「これ入っちゃうの? 」といった逆方向への飛球だった。

試合後のコメントも「しっかりと押し込んで打つことができた」といったもの。パワーに技術を加えた技ありのホームランはさらなる進化を予感させる。

先発の高橋奎二もイニングの途中で降板したとはいえ、7回途中1失点と合格点の内容。先発ローテーション確約へ大きなアピールとなった。

一方で広島の先発は同じ高橋姓の高橋昂也だった。花咲徳栄高時代から名を馳せていた左腕だったが、プロ入り後にトミー・ジョン手術を受けたこともあり、ここまで目立った成績は残せていない。

しかし、5年目の今シーズンは先発ローテーションに入り2勝を挙げている。この日は敗れたものの、6回被安打9と苦しみながら3失点でまとめQSは達成した。木曜日に投げる先発投手としては十分に合格点の内容だった。

その高橋昂と同期に当たるのが寺島成輝だ。履正社高時代には高橋昂や藤平尚真(横浜高→楽天)、今井達也(作新学院高→西武)とともに「高校生ビッグ4」と称された左腕だが、プロ入り後はパッとしない。

昨シーズンは中継ぎ起用のみで30試合に登板し、待望のプロ初勝利もマークした。しかしホールドが3つだけだったことからもわかるように、勝ちパターンに入っていたわけではない。それでも防御率2.48は飛躍を予感させるものだった。

今シーズンは先発としての起用も視野に入っていた。ファン(ぼく)の推測や希望ではなく、高津臣吾監督も実際に「今年、中継ぎをやったけど、(来年は)先発をやってほしい」とコメントしていたのである。

しかし、ここまで一軍での起用は中継ぎでの1試合のみ。二軍でも中継ぎでの起用がメインだった。今年もダメなのか──。そう思いっていた潮目が6月に入ってから変わった。

2試合連続で先発起用され、5回無失点、4回4失点と長いイニングを任されるようになったのである。

同期の高橋昂は一軍の先発ローテーションに入り、今井はその先であるエースへの階段を登りつつある。一方の寺島はようやく二軍で長いイニングを投げるようになった段階だ。ふたりに遅れを取っているのは認めざるを得ない。

思い返してみると去年の春季キャンプで寺島は、シチュエーション別のノックを受ける時、マウンドに投手陣で1人だけダッシュで駆け上がっていた。どんなときも手を抜かない真面目な男なのだ。

1学年先輩でもあり同じ左腕の高橋奎も順風満帆には来ていない。紆余曲折を経てようやく立場を掴もうとしている。寺島だって──。

現実的にはオリンピック明けだろうか。寺島がまっさらな神宮球場のマウンドにゆっくりと登る日を楽しみにしている。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000528
※ヤクルト公式HPより

記事参考https://www.sanspo.com/article/20210625-7KP36YVHSBOLTPXYJQILARNWE4/
※村上コメント

記事参考:https://www.sanspo.com/article/20201117-H3SDX6V45NLD3E3KYKFX7H4CUM/
※高津監督コメント

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