立派なリーダーになった塩見泰隆 | ヤクルトが好き

塩見泰隆

2021年8月17日(火)
ヤクルト[13-3]巨人(松山)

みこしを担いだのはヤクルトだった。巨人は「わっしょいベースボール」をかかげ後半戦の初戦から中日相手に3連勝。意気揚々と松山の地へ乗り込んできた。

祭り、か。でもそれならヤクルトも負けてはいない。なんてったって「東京音頭」を愛し、チャンステーマでは「夏祭り」を使用するんだから。

主役の村上宗隆と山田哲人はホームラン、外国からの参戦者オスナは4安打とノリにノッた。終盤からは坂口智隆、川端慎吾、宮本丈と控え組も参戦する。誰が切り札でもおかしくない左の代打3人衆は、坂口が四球、川端はタイムリー内野安打、宮本が犠飛──主役に比べると少し地味だけれども、それぞれがそれぞれの役割をみごとに果たした。

そんなお祭りで主役にもなり裏方にも回ったのが塩見泰隆だった。初回の打席では逆方向への二塁打。開演の太鼓を叩いた。ピッチャーゴロの間に三塁への進塁をはたしたのは好走塁。判断力と走力の両方を兼ね備えているからこその業。ちゃっちゃと準備を進める町内会の青年部長のよう。会社ならリーダー格だ。

守備では6回に元山飛優のトンネルを救うバックホーム。若い衆の失敗をなにごともなかったかのように収めて涼しい顔。頼もしくなった。9回には走力と判断力をかけ合わせたかのようなフライキャッチ。「判断力×走力」を守備でも魅せた。

塩見が持つ抜群の身体能力は誰しもが認める。一方で故障も多く、スランプも長い。挙句のはてには週刊誌にすっぱ抜かれた。仕事はできるけど、完璧ではない。どこか人間味の溢れる塩見は人を惹きつける。どこの会社でも町内会でもいそうななんだか憎めないやつ。

28歳の塩見は世代的に見るとベテランと若手を繋ぐ位置にあたる。中間管理職なんて言葉は似合わない。塩見が2年ぶりに開催された松山での祭りで自らも参加しつつ、裏方にも回り成功に導いた。これからのチームを引っ張っていく姿はリーダーそのもの。それを垣間見た。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000645
※ヤクルト公式HPより

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