派手な試合で見せた荒木貴裕の地味な活躍 | ヤクルトが好き

荒木貴裕

2021年9月7日(火)
阪神[0-12]ヤクルト(甲子園)

奥川恭伸が投げ村上宗隆が打つ──漫画のような展開で連敗を脱出し首位争いに食らいついた。

18安打は今シーズン最多。完封リレーは6月11日のソフトバンク戦以来3ヶ月ぶりという結果が示すとおり、活躍したのはふたりだけではない。

高津臣吾監督(宮出隆自ヘッドコーチ?)の打順組み換えが功を奏した。ふだんは途中出場がメインである宮本丈と坂口智隆を上位打線に抜擢。宮本は5打数3安打1四球とリードオフマンの役割を見事に果たした。坂口も5打数2安打1犠打と結果を出し、外野守備はセンター→ライト→レフトとバイプレーヤーぶりを発揮する。ふたりが機能せず敗れていれば、オーダーの大幅変更がやり玉にあがった可能性は十二分にある。それを救った。

青木宣親は先制打、村上は3ランにタイムリー。役者が違った。

それぞれふだんの打順から1つずつ下がったオスナ(3安打)とサンタナ(2安打)。ふたりで3本の長打。求められているものはわかってるよ、と言わんばかり。

このふたりを下げてまで5番に座った中村悠平は貫禄の2安打。守備でも奥川をはじめとした投手陣を引っ張った。

奥川は7回無失点8奪三振。与四球は当然のように0。これで35イニング連続無四球とちょっとおかしい。ヤクルトOBである安田猛さんの作った81イニング連続無四球は遠いけど、それでもすごい。

後を受けた大西広樹と石山泰稚はともに1回無失点。10点以上リードした試合終盤であり1点、2点取られても大勢に影響はない。

が、彼らにとっては重要なアピールの場でもある。ホールドがつくような場面への”昇格”そして”返り咲き”を果たすためにも無様な投球は見せられない。そして見せなかった。

みんなの派手な活躍が多い中、地味ながらも結果を出したのが荒木貴裕だった。8回裏から一塁の守備に入り9回に回ってきた打席でしぶとくタイムリーヒットを放った。これで自身2打席連続ヒット。打率.205と2割に乗せた。

今シーズンの荒木は目立たない。目立ったのは荒木のファールフライ落球から清水昇がマルテに同点弾を食らった試合だけ、と言っても過言ではない。

それでも一塁や左翼の守備固め、代走、そしてたまの代打と途中出場メインではあるが、ここまで66試合に出場してきた。

実はこの66試合という数字は、川端慎吾(61試合)、渡邉大樹(55試合)、宮本丈(36試合)、内川聖一(34試合)と切り札的存在の彼らよりも出番は多い。チームに欠かせない一人であることがよくわかる。

かつては代打の切り札だった。昨シーズンも代打での起用回数はチーム最多。代打打率.159(44-7)ながら、印象的なバスターホームランを見せた。2019年は代打打率.295(61-18)、2018年は代打打率.167(30-5)だったけれども満塁ホームランも放っている。

今シーズンは川端や宮本、そして内川の存在があり代打での出番は少ない。そんなチーム事情と自身の打撃が奮わない中で守備固めや代走に役割が変わった。それでも献身的にチームを支えている。ミスタースワローズ若松勉、シーズン代打安打記録保持者の真中満、川端、そして将来の青木を想像してほしい。代打で結果を残した翌年以降に守備固め…まずありえない。34歳で代打の切り札から守備固めや代走に転身できる選手がいるだろうか。

どちらかというとSNSなどで叩かれることの多い選手。打つ方で結果が出ず、守備固めででながら記憶に残るエラーをしてしまったのだからしょうがないのかもしれない。でもそれは荒木の一部分でしかなくベンチには必要な選手であることは間違いない。

歴代の監督が重宝してきたマルチプレーヤーであり、昨シーズン中に国内FA権を取得した。今シーズンも開幕から一度も二軍に落ちることなく一軍帯同を続けている。それが必要とされていることのなによりの証明になる。

そんな荒木が打つ方で復活の狼煙をあげようとしているのはたまらなく嬉しい。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000747
※ヤクルト公式HPより

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