2021年10月2日(土)
広島[5-9]ヤクルト(マツダ)
1年前から大きく変わった。
この日の先発・高梨裕稔は7回まで1失点。8回に痛恨の3ランを浴びたことで味噌がついたけれども、8回途中4失点で今シーズン4勝目を挙げた。
10連戦を無敗で終えたが、今度は6連戦が4週連続でつづく厳しい日程。中継ぎ陣の疲労は抑えたい。そのなかでの快投はチームを救った。
結果的に中継ぎ投手を4人も起用することになった。それでも今野龍太、清水昇、マクガフの3人は温存。翌日へそして翌週へ向けて大きな大きな7回と3分の1だった。
この日は被安打8と少なくはなかったが、四球を与えず終始安定していた。
ちょうど1年前。2020年10月2日の広島戦(神宮)に先発した高梨は、2回2失点で降板した。与えた四球は2つ。試合後の高津臣吾監督のコメントは辛辣だ。
「同じミスを2つ繰り返したので早めに交代した」
その次の登板は10月13日のDeNA戦(神宮)だった。6回3失点で試合は作った。それでも被安打9、与四球は1。四球は少なかったものの打ち込まれた。好投に見える。それでも試合後の高津監督はこうだ。
「結果的には3失点。でも、勝てる内容ではなかった」
ばっさり切った。あまりメディアを通じて選手個人への苦言を呈さない高津監督も高梨には厳しかった。たまたまかもしれないが、ファン(ぼく)はそう感じていた。
それがこの試合の後はこうだ。
「高梨がよく試合を引っ張りましたね。良く投げたと思います。カウント負けすることもなく、しっかりと投げ切れたんじゃないかなと思います」
最後に被弾したことに苦言を呈するかと思いきや、そんなことはまるでなかった。まさに賞賛のコメント。厳しかった高津監督はそこにいなかった。もしかしたら、1年という長い時間をかけて繋がるツンデレなのかもしれないけれども感慨深い。
できがよくなかった子どもが、父親からの叱咤激励を受けて発奮。苦しみながらも1年の間に大きく成長するヒューマンドラマを見ているかのようでもある。
高津監督の言葉がなかったとしても、高梨は成長していたのかもしれない。いや、していただろう。プロ野球選手なのだからそれは当然のこと。
それでも発せられる言葉や状況からストーリーを(勝手に)つくり、想像することで、チームを高津監督をそして高梨をより一層深く知れる、好きになれる。
ドラマはもう少しつづく。だれだってバッドエンドは見たくない。ファン(ぼく)が望むハッピーエンドにするために高梨はあと3回腕を振る。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000871
※ヤクルト公式HPより
記事参考:https://www.nikkansports.com/baseball/news/202010020001284.html
※2020年10月2日のコメント
記事参考:https://www.nikkansports.com/baseball/news/202010130001150.html
※2020年10月14日のコメント
記事参考:https://www.sanspo.com/article/20211002-EAN4KX6K4NJSVHIXD237IWFSA4/
※2021年10月2日のコメント