やっぱり気になるサンタナのこと | ヤクルトが好き

サンタナ

2021年10月5日(火)
ヤクルト[3-2]巨人(神宮)

勝負の6連戦の初戦は想像していた以上にサンタナ劇場だった。

4回、坂本勇人のなんでもないヒットをファンブルし進塁を許した。打席には岡本和真が向かう。ここ数試合は不振かもしれないが腐ってもセ・リーグの二冠王。我らが誇る村上宗隆とホームランの数は同じ。打点ランキングでは上に名前がある強打者だ。村上が凄いのであれば岡本も凄い必然的にそうなる。ランナーが一塁と二塁では気の持ちようも大きく変わる。

怖い。それでもここでは小川泰弘が踏ん張り無失点で切り抜けた。ファン(ぼく)は胸をなでおろす。大きなストライドでベンチに戻るサンタナの表情に変化はなかった。

その裏、西浦直亨のホームランの余韻に浸るまもなく、サンタナが逆方向へ彼らしい一撃を魅せた。あのスイングでどうしてライトへ飛ぶのか。理系出身なのに物理学に疎いぼくにはよくわからない。ただただ感心するだけだ。失点にならなかったとはいえ、前の守備のミスを取り返した。ファン(ぼく)は胸をなでおろす。

これだけでサンタナは終わらない。

6回、1死一塁の場面で坂本がややライトよりのセンターへ大きなあたりを放った。塩見泰隆の渾身のジャンプも届かない。カバーには誰も入っていなかったこともあり、フェンスに直撃した打球は点々とし一塁走者は生還した。

サンタナが動き出したのはフェンスにあたってから。明らかに遅い。カバーに入っていても1点は取られていたかもしれない。それでも、もったいなさを感じてしまう。諦めない姿勢はどこへ。

ここですぐに心を入れ替えるのがサンタナの良さだ。つぎの岡本が打ち上げたセンターフライでは、塩見とぶつかりそうなところまで足を運んだ。声掛けしないと危ない。そんな至近距離。連携ミスと見る人もいるかもしれないけれども、直前のプレーのことが頭をよぎったのではないか。そう思わずにはいられない。取り返そうとする気持ちが強い。強すぎる。

その裏には無死二塁のチャンスで内野ゴロ。西浦が二、三塁間で挟まれている間に二塁を陥れようとした。猛然とヘッドスライディグをし、左手を囮にするフェイクも入れたほど。必死さが痛いほど伝わってくる。リクエストでも判定は覆らずタッチアウト。無死二塁からのゲッツーという珍しいものを見た。

リスクを犯さず一塁でとどまっていても責められることはない。それでもサンタナはひとつ先を狙った。勝ちたいという気持ちはもちろんだけれども、それ以上にチャンスで打てなかったこと、守備でミスしたことを取り返したかったように映る。

サンタナはひとつ失敗をしても落ち込んだり不貞腐れたりせず、強いあるいは強すぎる気持ちをもって次のプレーで取り返そうとする。格好よくというよりは泥臭く。そんな健気なところを小出しにしながら、ファン(ぼく)の目を釘付けにするのはちょっとずるい。

なんだかサンタナのことが気になり始めた。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000881
※ヤクルト公式HPより

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