2021年10月24日(日)
ヤクルト[6-4]巨人(神宮)
絶対に負けられない戦いが、そこにはある
15年以上も前から使い古されたこのキャッチフレーズ。絶対に勝つ、ではないところが日本人らしい、とか引き分けでもOKなのか? と解釈はさまざまだった。
この日のヤクルトは文字通り負けなければOK、すなわち引き分けでもマジックは1つ減る。このキャッチフレーズをどう解釈してもいい。負けなきゃOK。言い換えると負けては絶対にいけない。
そんな大事な試合の先発を託されたのは、前回優勝した2015年のドラフト1位・原樹理だった。
入団から6年経った原はこれまで先発ローテーションにも、勝ちパターンにも定着できていない。今年もここまで2勝1敗。ドラフト1位入団ということを考えると、ここまでの成績は物足りない。そう言わざるを得ない。
それでもこの日は魅せた。ピシャリと抑える投球ではないけれども、巨人打線に決定的な仕事をさせなかった。優勝を争うこの状況下で内容は関係ない。”0”に抑えれば何でもいい。
リードを保ってリリーフに繋ぐことが求められるなか、6回途中1失点。バットでも走者一掃となるタイムリーツーベースを放つ。塁上では吠えた。まさに投げてよし、打ってよしの活躍でチームを救う。これがドラフト1位の意地か。
試合は6点先制から2点差に迫られたけれども逃げ切った。絶対に負けられない戦いで負けなかった。ファン(ぼく)は胸をなでおろす。
◇
試合前の燕陣(円陣)ではみんなが肩を組んで行われた。2015年9月27日の巨人戦(東京D)と同じ。勝てばマジック点灯、負けれゲーム差なしで並ばれる。そんな絶対に負けられない戦いだった、あの試合では先制後、僅差に迫られるも逃げ切った。
先発の石川雅規が5回1失点、1打点。まさに投げてよし、打ってよしの活躍でチームにマジックを灯している。
石川は2001年のドラフト1位(自由枠)入団で前回の優勝年度の入団だった。この試合の原と同じ状況(それまでの実績はさておき)だ。優勝したチームでまっさきにドラフト指名された投手が大一番で魅せた。
絶対に負けられない戦いは、燕陣からはじまり、前回の優勝年のドラ1投手が投打に活躍。そして試合展開まで同じだった。原は石川をなぞった。
ここ一番で負けないチームは強い。
歴史はきっと繰り返す。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005078
※ヤクルト公式HPより
2015年9月27日試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/stats/2015092701
※ヤクルト公式HPより