2021年11月12日(金)
ヤクルト[2-2]巨人(神宮)
ヤクルトらしい勝ち上がり方だった。
シーズンではマジックが点灯してから足踏み。敵地甲子園での2連戦では1敗1分と少しだけ隙を見せた。このファイナルシリーズでも──2試合連続で完封勝ちをしたものの──シーズンでは11ゲーム差をつけた巨人に対して圧倒的な強さを見せたわけではなかった。
勝てばあるいは引き分けでも日本シリーズへの出場権が得られる試合も同様だった。3回にこのシリーズで初めて失点を許し、中盤まではノーヒット。7回表を終えて0-1。11月の寒さが堪える。
ようやく7回に青木宣親のタイムリーに塩見泰隆の好判断(だと思われる囮プレー)も加わって逆転に成功した。普通なら8回、9回を清水昇とマクガフが締め逃げ切り勝ち──この流れはそうでしょう。それもそうは問屋が卸さない。8回に清水が廣岡大志の内野安打で1点を失いまさかの同点。いや、ここかよ。春は大引、秋の廣岡。さすがだった。
その後は両チーム無得点で9回表コールドゲーム。引き分けでのクライマックス・シリーズ勝ち抜けが決まった。
今シーズンのヤクルトに「うまくいくことが少ないからこそおもしろいんだよ野球は」と教えられている気分になる。
ヤクルトらしさ──しばしばアットホーム的な雰囲気だとか馴染みやすいということが挙げられる。たしかにそういう雰囲気はある。外から見ててもなんとなくそんな感じはする。
でもそれ以上にすんなりいかず、つかみどころがないチームだ。優勝したかと思えば最下位になり、はたまた2年連続で最下位から優勝してみたり。優勝するときはちょろっと抜け出して最後に隙を見せたりもする。
どこまでもつかみきれない、つかませてくれない。すんなりいくことがない、それがヤクルトらしさ。だからいい。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000965
※ヤクルト公式HPより