素人が見ても気がつく中村悠平の存在感 | ヤクルトが好き

甲子園球場

2022年5月3日(火)
阪神[0-3]ヤクルト(甲子園)

これは違うな──素人が見てもそう感じた。それくらい中村悠平は圧倒的だった。小川泰弘の完封劇が圧巻だったのは間違いない。試合中のコメントに寄るとフォームを修正したらしい。その効果はてきめんだったが、それに加え中村の存在感が際立っていた。

バッテリーが打者を抑えるにあたって1打席だけではなく2打席、3打席と複数の打席を含めて駆け引きをすることはよく知られている。とはいえ、漠然と試合を眺めていてもなかなか気が付かない。相手の打者は9人いるし次の打席は40分から1時間後くらい。全員に対するいちいち配球を憶えているかというと、そんなことはない。あとで見返したらそうだったんだ、と理解するくらいだ。

まぁ、野球を楽しむのにそんな細かいところを気がつく必要なんてないのかもしれない。たくさん知れば楽しさがますかと言ええば必ずしもそうではない、と思う。でも勝手に気がついてしまう。それも野球解説者でもない一般人のぼくが。

「小川&中村vs.佐藤輝明」はおもしろかった。

インハイにストレートを6球続けて打ち取った次の打席ではアウトローにチェンジアップを投げ込ませる。球速差はおよそ30キロ。バットに当てられたけれども力のない右飛。あの泳いだスイングであそこまで飛ぶのか、という多少の驚きはあったけれども。対角線と緩急を2打席できっちり使い分けた。

あとでチャートを見返すことをしなくても、前の打席の残像というか意識を使ったんだな、と瞬時に思い浮かぶ。それだけ印象的だった。

配球がよかった、あるいは悪かったなんてことを語るつもりは毛頭ない。仮に打たれていたとしても1打席ではなく複数の打席で勝負してるんだな、とおそらく気がついただろう。

意識してなくてもファン(ぼく)が気がつく勝負の仕方。やっぱり中村って他の捕手とはちがうんだな、と存在感を強烈に意識させられた試合だった。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005610
※ヤクルト公式HPより

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