大西広樹と石山泰稚で実感した強さ | ヤクルトが好き

石山泰稚_大西広樹

2022年6月7日(火)
オリックス[6-1]ヤクルト(京セラドーム)

これは今年も強いな、この試合を見終えた後の正直な感想だった。

先発が粘れず5回で5点のビハインド。それに加えて打線も沈黙。得点は押し出しによる1点のみ。そのきかっけとなった満塁も安打、四球、四球でつくったごっつぁん的なもの。6本のヒットはすべてシングル。内容的には完敗だった。

そんな一方的な試合で”今年も強い”と感じたのはオリックスに対してではない。オリックスが強いのか、弱いのか、そこはあまり気にしていない。なぜならリーグが違うから。

ヤクルトに抱いた強さ──それはこの日投げた大西広樹と石山泰稚の存在だ。5点のビハインドを喫した試合中盤に出てくる投手は、勝ちパターンの投手と比べると力が落ちることがほとんどだ。しかも6連戦の頭である火曜日の試合。調整登板であったとして勝ちパターンと呼ばれる投手たちをつぎ込むはずがない。

5回2死一塁でマウンドに登った大西は先頭にヒットを許したものの、追加点は許さなかった。その後も6回、7回と回を跨いでオリックス打線を封じ込めている。イニング途中の火消し(というほどの場面ではなかったけれども)からの回跨ぎ。それを無難以上、完璧な内容でこなしてみせた。点差が変わらず迎えた8回は石山泰稚が三者連続三振と圧巻の投球をみせる。

たいがいこの手の場面──序盤での中から大のビハインド──で出てくる投手は、少し前の時代なら”敗戦処理”とも呼ばれていた。

二軍から上がってきたばかりの投手や、少し力の劣る投手の役割となることが多く、ここで結果を出して初めて勝ちパターンや先発ローテーションへの挑戦権が与えられる、そんなポジションだ。

試合中盤から終了までを複数人の投手でこなしていくわけだが、当然、勝ちパターンと比べて力の劣る、あるいは実績のない投手が複数投げるため失点するケースが多い。火に油を注いで大敗を喫することも珍しくはない。

そんな場面で出てきた大西と石山がこれだけの投球をした。この日は打線が噛み合わずに終盤での逆転劇は起こらなかった。それでも大敗必至の内容を持ちこたえ、終盤でのワンチャンス、ツーチャンスに賭けることができるのは大きな武器だ。100%負けに近い展開から1つでも2つでもひっくり返すことができれば、チームの勝率はぐんと上がる。

そのためにも勝ちパターン”以外”の投手の実力は重要だ。勝ちパターンが強いのはどこもそう。チームの中でも上位2人、あるいは3人がその役割を任されているのだからあたりまえのこと。差がつくのはそれ以外だ。受験勉強となんら変わらない。理系であれば数学や理科(化学や物理など)が得意なのはあたりまえで差がつくのは英語だったりする。

それ以外の投手たちの力が高ければ高いほど、中継ぎの厚みはグッと増す。積み重なれば強さに変わる。

その強さをこの負け試合で実感した。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005787
※ヤクルト公式HPより

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