見せられた藤田一也と見せた宮本丈 | ヤクルトが好き

20220702スコア

2022年7月2日(土)
ヤクルト[2-1]DeNA(神宮)

序盤のしょっぱい感じから終盤は見ごたえのある展開への成長曲線は凄まじかった。0-0だけれども併殺に打ち取り、打ち取られ投手戦ではなく貧打戦という言葉がぴったりの序盤はまさに地獄。まったくおもしろくなかった。

それが急旋回するのだから野球はおもしろい。

DeNAが1-0とリードしていた8回1死一塁。8番の戸柱恭孝が打席に入ると、代打の切り札・藤田一也を見せてきた。ここまで好投の濵口遥大に代打を送るのか否か。藤田はレガースをつけヘルメットもかぶっている。一塁走者が二塁に進めば”代打藤田”なのか。それともどんな状況でもコールされるのか。そうではなく陽動作戦なのか。ブルペンは動いている。駆け引きが始まった。どちらに賽が振られてもおかしくはない。戸柱は倒れ2死一塁になると”代打藤田”のコールはなく濵口が打席に入った。

後から冷静になって考えると”代打藤田”で終盤の1点を取りにいくのであれば、戸柱にバントをさせるのではないだろうか。2死二塁でベテランに賭ける。戸柱がヒッティングでチャンスを広げる可能性はあるにせよ、バントをしなかった(構えなかった)時点で濵口続投はほぼ決まっていたのでは──。興味深い。

ヤクルトが見せたのは宮本丈だった。1-1の同点で迎えた9回1死無走者、打席には4番の村上宗隆。5番にはマクガフが入っている。サヨナラホームランが出ない限りはマクガフに代打が送られる。青木宣親という最強のカードはもう切っていた。相手は左のエスコバー。右の荒木貴裕はすでにゲームに入っている。

となると、川端慎吾か坂口智隆かあるいは宮本か──。ネクストに入ったのは背番号「39」宮本だった。ここで宮本を出す意味。恐らく村上が出塁したならば、バントで送って6番の中村悠平で決める。出塁を期待するというよりは、確実に得点圏へと走者を進めようとする意図が見え隠れする。

村上が凡退したと同時に入れ替わるようにして打席に向かったのは坂口だった。2死無走者であればまずは出塁することが求められる。一発の期待ができる代打はいない。それならば坂口が適任だった。バットをへし折られてのピッチャーフライに倒れたけれども、ベンチの意図は伝わってくる。

試合はサヨナラ勝ちだった。嬉しくないわけがない。でも楽しかった、おもしろかったのはその瞬間じゃない。それよりも両軍が見せた8回、9回のベンチワーク。ネクストを使った駆け引き。正解が明かされることはきっとない。それでもいい。野球のおもしろさはここに詰まっている。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005890
※ヤクルト公式HPより

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