2022年6月8日(水)
オリックス[3-6]ヤクルト(京セラドーム)
予想外のことが起きている。
去年から幾度となく取り上げられてきた次世代のレフトのこと。なんとなく濱田太貴と宮本丈が争うと思われていた。右の大砲候補と左の巧打者タイプで守備はなんとかかんとか。これから上手くなれば…といったふたり。
けれども青木の調子が上がらず登録を抹消された今、スタメンで起用されているのは山崎晃大朗だ。外野3ポジションを守ることができるどちらかと言うと守備型の選手である。
正直、山崎がレギュラー争いに入るとは思っていなかった。実力云々というよりも打者としてのタイプ、そして昨年のドラフトでは2位という高順位で同じ左投げの外野手である丸山和郁を指名した事実。これが大きい。
山崎が戦力にならないとかそういう意味ではもちろんなく、外野3ポジションを守れる控えとして、終盤の守備固めとして重宝されるのでは? と考えていた。
それが、この試合ではダイビングキャッチに同点打。攻守に渡って結果を残した。もちろんよくないところもあった。守備ではダイビング不要のところで飛び込み打者走者にひとつ進塁を与えた。肩が弱くレフトでも大きな不安を抱えている。打撃でも他の4打席はいずれも凡退している。それでも活躍したインパクトは大きかった。
山崎はスタメンでの起用が増えてからずっと好調なわけではない。この試合が始まるまで6月は打率.176(17打数3安打)で四死球はひとつもなかった。この試合を足しても打率.182(22打数4安打)しかない。1番や2番でこの打撃は正直しんどい。それが前の試合で2安打を記録し、この試合では同点打を放ってみせた。
サンタナが不在の右翼も含めて濱田や宮本に太田賢吾もチャンスはあった。が、山崎に優るインパクトを残すことができていない。やっぱりレギュラー不在の時期や試合でのチャンスといった、ここぞ、で力を発揮できる選手は強い。
この先、核となる選手以外を固定するのかはわからないけれども、レフトのレギュラーを争う立場にいることは間違いない。同学年の塩見泰隆が昨年ブレイクしレギュラーを奪った。期するものもある。
「青木さん、ぼくがいるからもう大丈夫です」
「濱田、丈、おまえらにはまだ与えられねぇわ」
そんな声も聞こえてきそうでもある。
世代交代はベテランから若手へ、というのが理想のような気がするし、それが多い。
でも、中堅どころがベテランからポジションを奪い、若手の壁となる。
そんな世代交代があってもいい。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005793
※ヤクルト公式HPより