2021年5月26日(水)
ヤクルト[4-3]日本ハム(神宮)
日本ハム戦なのにプリマハムナイターということが話題となったこの試合。もちろんプリマハムが誇る「香薫」入りだという大皿ウインナーを食べた。どれが香薫なのか見た目ではよくわからない。それでも口に含んでみると明らかに違うものがある。まるでシャウエッセンのようなパリッとした美味しさ。正直、日本ハムでもプリマハムでもどちらでもいい。とにかく美味しかった。
☆
先発の田口麗斗は5回で降板し緊迫した展開で迎える試合終盤。2点リードの6回のマウンドには清水昇が登った。1点を失い1点差。あと3回。近藤弘樹、マクガフ……なんど数えてみても──石山泰稚が勝ちパターンから外れた今──ひとり足りない。7回のマウンドには誰があがるのか。ひとり盛り上がっていた。
6回裏の──すなわち7回表に投げる投手が準備を始める──ブルペンに姿を表したのはヤクルトが誇る奪三振マシーン今野龍太だった。昨年は20試合の登板で防御率2.84ながらホールドはなんと0。言い換えると厳しい場面での登板はなかったということ。
が、今年はすでにホールドが2つ。けれどもその2試合はいずれも6回までの登板。僅差の勝ち試合、痺れるような場面で勝ちパターンとしての起用ではなかった。それが石山泰稚や清水昇の不調もあり、「7回の男」に抜擢されたのである。ブルペンでの様子も気持ち堂々として見える。
1試合限定の可能性も多分にあるが、それでも2年前の秋に戦力外を受けた男がここまで登ってきたのは感慨深い。同時に加入した嶋基宏のバーターなんてとんでもない。いまや欠かせない戦力となった。
日本ハムの上位打線相手に二者連続三振を含む三者凡退。初めての役割であたふたするどころか最高の結果を残してみせた。少しホッとしたのはぼくだけではなかっただろう。
そういえばぼくはシーズン前に『「とりあえず今野」からの脱却』というタイトルの記事の中でこう書いた。
2020年の今野が担ったこの役割はチームにとって重要ではあるけれども、目指すべき終着点ではないし、とどまっていてはいけないところである。先発ローテーションや勝ちパターンへとステップアップするための踏み台だ。
はたして2021年の今野はどういう役割でマウンドへと向かうのだろう。願わくば神宮球場の奪三振マシーンとして羽ばたく姿が見たい。
「地位が人をつくり、環境が人を育てる」
野村克也元監督の言葉を思い出す。勝ちパターンという7回の男という地位を与えられた今野はきっと大きくなる。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000396
※ヤクルト公式HPより
記事参考:野村の流儀(野村克也著/ぴあ出版)
※野村克也元監督の言葉