2021年6月8日(火)
ロッテ[7-4]ヤクルト(ZOZOマリン)
上空に風はほとんどなくZOZOマリンスタジアムとしては無風に近かった。それでも潮が混じっているからか肌に触れる空気はどことなくベタついている。
ビジターでの観戦は久しぶりだった。試合前の練習をじっくり眺めることができることを忘れていたほど。バックネット裏の少し高そうな革張りの座席から───ぼくの推しである──宮本丈の打撃練習を眺めていた。本塁打性のあたりはないけれども、主に引っ張り方向へライナーを飛ばしている姿を拝んだ。
今日は──前の試合でフェンスにぶつかり負傷した可能性のある──サンタナを指名打者に起用して、スタメン起用があるかもしれない。なんてのんきに考えていた。ほんと能天気でおめだたかった。
数分後にシートノックに参加していないことを確認してから、ベンチ入りメンバーを確認する。なんのことはない。蓋を開けてみればスタメン出場どころか、ベンチ入りメンバーにも名を連ねていないという事実がそこにあった。代わりにスタメン起用されたのは、この日昇格したばかりの太田賢吾だった。
複雑な心境ではある。とはいえ、選手のためにチームがあるのではなく、チームのために選手がいる。この日の試合に限っては宮本よりも太田、さらにはその他の選手たちがチームに必要だったということ。
好きな選手、贔屓の選手、推しの選手がいればこういった状況になることも決して珍しくない。でも、ここからの気持ちの持ち方は人それぞれかもしれない。代わりになる選手を応援できない、という人もいれば、関係なく応援するという人もいる。それはスタイルだから正解も間違いもない。
ぼくは宮本の代わりに出場した太田を応援するし、頑張ってほしいと思っている。そんな太田は攻守でいいところがあったかと問われたら「うん」とは言えない出来だった。翌日のスタメンから外れても、おかしくはないようにも見えた。
それはそれで悲しくもある。宮本と太田は右投げ左打ちで遊撃をのぞく内野がメイン、右翼はサブポジションのひとつ、の同タイプの選手。いわばライバルだ。松本友や広い意味では坂口智隆も同じく括りだ。
宮本は離脱していたとはいえ、開幕直後は松本友に水を開けられ、昇格したかと思えば、指名打者のある試合で太田がスタメン起用された。自身はベンチ外。この日結果を出せなかった太田よりも序列は低いという現実。さらに二軍には坂口も控えている。
大卒下位指名の4年目。半年後のことを考えると少し頭が痛い。秋風が堪える結末は寂しい。
試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000464
※ヤクルト公式HPより