石川雅規が思い出させた野球に欠かせないドラマ | ヤクルトが好き

石川雅規、秋吉亮、バレンティン

2021年6月11日(金)

ソフトバンク[0-1]ヤクルト(PayPayドーム)

緊迫した投手戦を制したのはヤクルトだった。1-0というスコア。石川雅規に勝利投手の権利がついた状態での展開。相手は王者ソフトバンク。

終盤はZOZOマリン3連戦を終えて帰宅したばかりの身体に追い打ちをかけるような疲労感が襲ってくる。それでも石川が見せた試合終了後の笑顔がすべてを消し去ってくれた。安っぽいハウスワインではなく、高級なワインをお供にしたくなる。

これで石川は自身2連勝で通算175勝目。200勝という節目まであと25勝。今年到達するのは難しいけれども、3年でも5年でも時間をかけてなんとか到達してほしい。これがぼくだけではなくファン全員の思いだろう。

この日の登板では2年前までのチームメート・バレンティンとの対戦があった。公式戦という真剣勝負の場だけれども、お互いが楽しんでいるかのような雰囲気の中、結果は2打席連続三振で石川の完勝。

ヤクルトの投手がバレンティンから三振を奪う──このシーンを見て2017年を思い出した。WBCの秋吉亮対バレンティン。当時のチームメートが国を背負って対戦し、結果は空振り三振。マウンドから降りる秋吉にバレンティンが笑顔でなにかを口にした。張り詰めた空気の東京ドームで眺めていたドラマは今でも鮮明に覚えている。

プロ野球にはドラマが欠かせない、とぼくは思っている。投手と打者の対戦で言えば、元チームメートであったり、プロ入り前のライバルであったり、母校の先輩・後輩であったり──。

前のカードのロッテ戦では渡邉大樹と横山陸人の専大松戸高の先輩・後輩対決があった。結果は死球。横山が先輩である渡邉にぶつけてしまった。それでも渡邉は悠然と一塁へ向かい、横山に対して怒りをぶつけるような仕草は見せなかった。この事実を目撃した時、ふたりの関係性を知っているのか否かで抱く印象は変わってくる。

この日の石川対バレンティンも4年前の秋吉対バレンティンもそうだ。記録だけ見ると三振や死球とたった2文字で済んでしまうことも、エピソードやドラマがあればあるほど熟成されたワインのように味わい深くなる。

現役生活を20年続けている石川が積み上げてきた白星ひとつひとつ 、いや登板してきた490試合すべてにドラマが詰まっている。濃厚な野球人生がつまった石川のドラマはもう少しだけ続く。飲み頃はまだ先だ。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000484
※ヤクルト公式HPより

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