石山泰稚が見せた格の違い | ヤクルトが好き

石山泰稚

2021年9月9日(水)
阪神[3-13]ヤクルト(甲子園)

高校野球ならいざしらずプロ野球で大味な試合展開は見ることに対しても集中力を欠いてしまう。7回表を終えて10点リード。勝負に絶対はないとはいえほぼ大勢は決した。

それでもモニターから目を離さずにこの試合を見たい理由があった。オリックス対ロッテの首位攻防戦、巨人の怒涛の追い上げ、鈴木誠也(広島)の乱れ打ち……プロ野球ファンにはたまらない他のカードがあるにもかかわらず、画面を切り替えることはなかった。

10点リードの7回から9回をどのように畳んでいくのか。大げさではなくそれだけに興味があった。この回から守備についた宮本丈の守備よりも。

そんな7回を今野龍太、8回を清水昇がそれぞれ1回無失点、被安打1、奪三振1の内容で締めた。大差がついている試合ではあるが、勝ちパターンのふたりができてきたのは「一分たりとも油断や隙を見せない」といった理由とはおそらく違う。

試合が決する前に準備していたであろう今野はそのまま登板。清水は中5日という登板間隔を考慮しての起用だろう。それでもさすがに9回のマウンドにマクガフは登らなかった。働き方改革バンザイ。

そのマクガフの代わりに登場したのは石山泰稚。今年は辛く苦しいシーズンを過ごしている。複数年契約を結び、約束された守護神の座を守るどころか、配置転換からの二軍降格。そしてフォームの変更と取り巻く環境が変化し続けている。

一軍に復帰してからも打ち込まれるシーンがあり、まだまだ本領発揮とはいかない。

それでもこの日は格が違った。4試合連続の無失点投球。2試合連続の三者凡退。甲子園球場のスピードガン表示は神宮球場比べて甘いとはいえ、投じたストレート8球のうち7球が150キロオーバーには唸った。さすが石山。

首位争いに食らいついていくためにも、大事な阪神との3連戦は大勝、僅差敗戦、大勝と勝ちパターン以外の投手が投げる機会が多い展開だった。

野村克也元監督なら「弱いチームは大勝し、接戦に弱い。強いチームはその逆」とぼやいていそうだ。でも、この3連戦はこれでよかった。

勝ちパターン入りを目指す中継ぎ投手たちのショーケース。それも首位阪神との三連戦。ここで結果を出せば、というまたとない機会になった。

しかし、大下佑馬は被弾し、坂本光士郎は四球を連発。星知弥は安打と四球でピンチを招いた。大西広樹も連投で回の途中からの登板だったとはいえ、ストレートの四球を与えた。連続で結果を出すのは難しい。前半戦で試練を乗り越えた今野に惚れ直す。

仲間たちが苦しむなか、石山だけは白く涼しい顔で仕事をこなした。これが修羅場をくぐり抜けてきた男の姿。試合の決まった9回という似合わない場所でも、やるべきことはしっかりとやる。

大事な大事な勝ちパターン+アルファになるのは、大下でも坂本でも星でも大西でもなく、まもなく昇格するであろう梅野雄吾でもない。「そこ、おれだから」と口には出さず結果で示すのも、奥ゆかしいとされる秋田生まれの石山らしい。

今年の石山はたくさんの失敗をした。配置転換にフォーム変更。遠回りでもゼロに戻ることなんてない。そう信じて約束の場所へ戻ろうとしている。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000759
※ヤクルト公式HPより

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