駆け引きの連続、切り札には切り札 | ヤクルトが好き

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2021年11月23日(火)
ヤクルト[5-4]オリックス(東京ドーム)

思ったよりも11月下旬の東京ドームは過ごしにくかった。北風が吹き始めそうな屋外ではないにせよ、快適な気温ではなかった。2015年の優勝時に購入したTシャツに知る人ぞ知る「Takeshi Miyamoto」のパーカーではほんのり肌寒くビールは進まない。

体感温度は低くても身体の芯が冷え切ることはなかった。序盤から駆け引きに次ぐ駆け引き。6年前の記憶を掘り起こしてみてもそんな場面はなかなか出てこない。実力が伯仲しているからこその攻防戦が目の前で繰り広げられたら自然と心は滾(たぎ)る。

至るところで駆け引きは生まれていた。両チーム無得点で迎えた3回表のこと。7番の紅林弘太郎がヒットで出塁。8番の伏見寅威はバントの構えを見せる。次は9番の先発投手田嶋大樹。ふだんは打席に立つことのないパ・リーグの投手の前で得点圏に進めても…。いや、田嶋は2回を終えて44球。制球も定まっていない。代打か。いやいや、田嶋はそのままアウトでも2死二塁で1番の福田周平に賭けるのか…。それよりもバントと見せかけてバスターなのか…。バントの構え一つでこれだけのことが頭を巡った。

1球目はバントの構えからバスターの素振りを見せ見逃しのストライク。打てる球でありバントもできたであろう球を見逃した。それだけで疑心暗鬼になる。2球目、3球目はバントの構えからボール球にバットを引く。たった3球だけで多くのファン(ぼく)の心も揺さぶられた。

小川泰弘から放たれた4球目に伏見はバスターで反応。あたりはよくない。ダブルプレーは無理だ。ショートの西浦直亨がさばいて1死二塁。結果送りバントだったな、とはならなかった。まさかの後逸で無死一、三塁とピンチは拡大。送りバントのはずが、バスターエンドランという最悪の結果となった。そこから​1点を失ったのはもはや必然だったように思う。

3-4と​1点ビハインドで迎えた7回表2死満塁で迎えるは第1戦でホームランを放っていたモヤ。マウンドには田口麗斗。ここで中嶋聡監督は代打の切り札ジョーンズを投入する。明らかに格が上のジョーンズとはいえ助っ人外国人選手への代打は勝負手──調べてみるとモヤが今シーズン代打を送られたのは合計6回。そのうち5回がジョーンズだった──だ。高津臣吾監督は代打のコールを確認してから石山泰稚を火消しとして投入する。

シーズン終盤戦で火消しとして起用されてきたのは大西広樹の方だった。それでも大一番のここぞの場面で高津監督は石山というカードを切った。勝負手だ。僅差が続けば7回スアレスと田口麗斗、8回清水昇、9回マクガフ、10回以降に石山と今野龍太の青写真が描かれていた──ブルペンが見えないので想像でしかないが──はずだ。それを軌道修正しての石山投入があたった。石山はジョーンズを仕留め8回も切り抜けバトンを繋ぐ。この石山対ジョーンズが勝負を分けた。

試合内容を改めて振り返ると中村悠平のタイムリー、サンタナのホームラン、マクガフのリベンジどれもこれも動かされた。

でもそれ以上に勝負手に勝負手で返す。点を取って取られての応酬、駆け引きの連続は見ごたえがあった。ビールがなくても酔うことが十分にできる。日本シリーズってやっぱりいい。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000977
※ヤクルト公式HPより

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