山田哲人は突然に | ヤクルトが好き

山田哲人

2021年11月25日(木)
ヤクルト[5-6]オリックス(東京ドーム)

何から伝えればいいのかわからない。日本一に向けた大一番。緩やかに始まった試合は1回、また1回と時は流れていく。いつもどおりの僅差の攻防か──そう思ったのもつかの間、中盤以降、目まぐるしく動く展開に脳内は「すごい」「やっぱり…」といったありふれたことばが浮かんでは消えていった。

ぼくは山田哲人に取り憑かれていた。このシリーズで山田は不振にあえぎ、快音はまったくといっていいほど響いていなかった。少しいいあたりが見え始めたかと思ったけれども、目に見える結果としては現れない。

多分、多くのファン(ぼく)は山田キャプテンを信じているし好きだ。ここ数年でヤクルトは変わった。野手では村上宗隆が飛躍し、投手では奥川恭伸というニューヒーローが誕生した。それでも、「やっぱり山田だな」とほんとうに思っていた。何度も書いたけれど10月の甲子園の天王山で、ピンチを背負った高橋奎二に声をかけ立ち直らせた姿に惚れ直した。なんだかんだでヤクルトは山田のチームなのだ。

だからこそこの舞台で結果が出ない姿にやきもきしていた。長い長いシーズンじゃない。最大でも7試合しかない日本シリーズ。ただすなおに信じることも好きと言うこともできなかった。

チームを超え球界の顔になりつつある村上は第1戦で勝ち越しツーランを打ち、この試合でも同点ホームランを放った。「やっぱりここぞで頼りになるのは村上なんだよ。時代は山田から村上に変わった」と脳内でなにものかが甘く誘う。

3点ビハインドとなったことで茫然自失になりかけた8回裏。山田はランナーがふたりいるところで打席に入った。プレミア12の韓国戦でホームランを打ったときも舞台は東京ドーム、そして3ランだったことを思い出した矢先の同点ホームラン。ここぞで魅せた突然のアーチに球場が揺れた。山田への手拍子と拍手は鳴り止まない。熱風が吹いている。もう山田についていく、と決めるのにも時間はかからなかった。

試合には負けた。

一夜明けて、午前を通り過ぎた午後。昨日よりもっと好きになっている。

前夜、東京ドームで山田のホームランに出会えなかったら、いつまでもこの気持ちは見つからなかった。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000979
※ヤクルト公式HPより

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です