高津臣吾監督の豪胆さと綿密な備え | ヤクルトが好き

チャンピオン

2021年11月27日(土)
オリックス[1-2]ヤクルト(ほっともっとフィールド神戸)

大一番でも高津臣吾監督はやっぱり野村克也元監督の教え子らしさを発揮した。

勝てば日本一が決まる一方で、そうでなければ翌日に第7戦が行われる。指揮官は目の前の試合に勝てないことなど考えていないだろうが、勝てなかったときのことも考えておかねばならない。

多くのファン(ぼく)が前のめりになって試合を見つめているなか、綿密に最大限のリスクヘッジを図っていた。

1-1の同点で迎えた8回から清水昇を回跨ぎで登板させ、田口麗斗を挟み、シリーズで2度の救援失敗があったマクガフに託す。そのマクガフが来日最長の2.1回を投げ試合を締めくくった。みんなが応えた。

試合中にはブルペンでは今野龍太や石山泰稚も肩を作ってはいたけれども、セオリーである1イニング1人ではなく成功例が少ない回跨ぎ(ぼく調べ)を選択。高津監督は自身にとって未知の領域である延長12回制において、終盤の5イニングをわずか3人の投手で乗り切った。

目の前の試合に勝ちにいくことだけでなく、その先のあるかわからない第7戦のことにも頭を巡らせながら日本一を手繰り寄せた事実に呼吸が早まる。

第7戦の先発は奥川恭伸が予想されており、高橋奎二も中継ぎとして待機することが濃厚だった。新エース候補たちの豪華リレーで終盤まで凌ぎ最後は石山で締める。”もしも”があっても今野龍太と大西広樹がフレッシュな状態で控えている。

日本シリーズの第7戦、すなわち”総力戦”であることは間違いないけれども、やぶれかぶれの必死の継投とは違い、前もって計算されていた投手たちが役割をはたしていたことだろう。

第7戦は開催されず高津監督の思い描いていたプランは”ボツ”となり答え合わせはできずじまいだけれども、勝ちパターンの2人に回跨ぎを任せた豪胆さの裏側には綿密な計算があった、と多くのファン(ぼく)は推測している。

胴上げやセレモニーを見ながらふと、野村克也元監督の「野球は8割が、備えで決まる」のことばが蘇ってきた。野村監督の時代と今の時代は野球を取り巻く環境が大きく変わっている。それでも教え子たちによって野村イズムは受け継がれていく。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021000980
※ヤクルト公式HPより

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