かつての原樹理が重なる吉田大喜 | ヤクルトが好き

原樹理と吉田大喜

2022年5月22日(日)
DeNA[3-5]ヤクルト(横浜)

試合に勝った。でも、もどかしかった。なんなら1人だけ蚊帳の外にいた。先発した大卒3年目の吉田大喜だ。お世辞にもいい内容とは言えなかった。

5回1死一、二塁で2点リード。ピンチだけれども勝利投手の権利まであとアウト2つ。同点までは続投、という選択肢がないわけではない。でもそんなことはなかった。

情にほだされることなく、高津臣吾監督(なのか伊藤智仁投手コーチなのかはわからない)も吉田大喜を諦め、2番手の木澤尚文を投入。結果的に木澤がピンチを脱したことで継投策は大成功となった。

きっと、いや、絶対に吉田大喜は頑張っている。もちろんプロ野球の世界で頑張っていない選手など1人もいないだろう。でも「頑張っている=結果がついてくる」では決してない。

頑張っていなくても結果を出している方がいい。頑張りが評価され得るのは身内だけの話だ。

これはプロ野球の世界にかぎらない。飲食店で考えた時、頑張ってるからまずくても許さるかというとそんなことはない。頑張っていなくても美味しいものを出す、それが正解になる。もちろん頑張っている、いないは外からはわからないのだけれども。

吉田大喜は2度の先発のチャンスを”頑張ってはいたけれども”ものにできなかった。前回はあとアウト1つ、今回はあと2つ。それが取れなくて最低限の5回を投げきることができなかった。

なんだか原樹理の3年目を思い出す。当時の原もなかなか勝てなかった。開幕から5連敗。雨の神宮球場──カラシティーが熱投を見せたあの試合──で6点の援護をもらいながらノックアウトされ中継ぎに配置転換された。期待のドラフト1位が3年経っても芽が出ない。うーん。厳しい世界だ、と感じていた。

あの雨の日から4年が経ち──当初の期待値にはまだ到達していないけれども──先発ローテーション投手の1人としては計算が立つようになってきた。苦しい内容でも5回をなんとかしのぐ。吉田大喜がとれなかった、あと1つ、あと2つのアウトをとってマウンドを降りる。これができる投手になった。

吉田大喜もドラフト2位で入団して今年で3年目。よく頑張った、と褒められるだけでなく結果がついてくる投手になれるかどうかの分岐点に差し掛かっている。これから先、どのようなキャリアを積んでいくかはわからない。けれども原のようになる可能性は十分にある。

試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2021005705
※ヤクルト公式HPより

2018年6月9日試合結果:https://www.yakult-swallows.co.jp/game/result/2018060902
※ヤクルト公式HPより

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